ひっぽのひげ文庫 リターン vol.18 ほしじいたけ ほしばあたけ じめじめ谷でききいっぱつ

ひげのつぶやき

「ボーっとする時間」

子どもの日常生活の中で、ボーっとする時間が保障されているでしょうか。
「寝坊よ、起きなさい!」に始まる朝、「遅刻するわよ。早くしなさい!」と追い立てるわけでボーっとする時間はありません。学校へ行くと、授業だ、遊べる休み時間だ、給食だ、掃除だ、で「先生は会議だから早く帰りなさい!」とせかされるわけでボーっとする時間はありません。
家に帰ると、プールだ、ピアノだ、公文だ、「行かないんならやめさせるわよ!」と追い詰められるわけで、ボーっとする時間はありません。
「宿題したの?晩ご飯よ。お風呂入ってね!」「ゲームは30分だけよ、もう寝なさい!」と時間のすき間を埋められるわけで、ボーっとする時間はありません。
ボーっとする時間は、考えることもなく身体も心も何もしていない時間です。その時間で生きていくためのエネルギーのゴムが伸びきってしまわないようにするのです。伸びすぎて縮まないゴムはすぐ切れます。
朝、目が覚めてボーっとする、授業中ボーっとする(たまにはいいんです)、テレビもゲームもなしでボーっとする、夕日が沈むのを眺めてボーっとするなど、ちょっとした時間でいいのです。
かく言うひげも、定休日にボーっとすることなく、こんなこと書いているわけで、大人でもそもそもボーっとする時間なんて持ってないのです。親子で揃ってボーっとしてみるのが大切かもしれません。

最近いつボーっとしたかな?

編集後記
ボーっとするのって、なんだか怠けている感覚になるけれど、心や体のバランスをとるためにも大切な時間なんですね。でも今の子たちって、ボーっとするってことに慣れていないような気がします。そういえば我が子のボーっとしている姿、あんまり見たことないなぁ。逆に、「ちょっとボーっとしてて!」と言いたくなるくらい、やかましく過ごしています(笑) さぁ!ボーっとしてごらん!と言ってもポカン?っとしちゃいそうなので、まず初めは「ボーっとアイテム」が必要ですね。寒くなってきたので、温かいココアなんて良さそう。甘いココアに癒されながら、親子でボーっとタイム、なんだか心も温まりそうです。(ままっち!編集部 谷間)