神山町にある【えほんカフェひっぽ】の店主 ひげさんと、ままっち!の出会いは2020年。
そこから、ひげさんおすすめの絵本を毎月紹介する連載「ひっぽのひげ文庫」がスタートしました。
そして今回、ついに記念すべき第50回を迎えます!
節目となるこの回を祝して、ひげさんとままっち!スタッフTammy、さきえるの3人で「おしゃべり会」を開催。みんなで手に取った絵本は、1973年出版 子ども向けに描かれた最初の「あんぱんまん」。
絵本を読みながら、作者やなせたかしさんの言葉や想いにじっくりと触れた、あたたかな時間となりました。その様子を、今回のひげ文庫でたっぷりご紹介します!
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今子育て中のママパパはご自身の幼少期にも慣れ親しんだであろう「アンパンマン」。困っている人やお腹を空かしている人がいると、どこからか飛んできて顔を食べさせてくれる。アンパンマン絵本の始まりであり、正義のヒーローの原点を描いた不朽の名作です。
「あんぱんまん」
作・絵:やなせたかし 出版:フレーベル館
ひげさんが読み聞かせしてくれました♪自分で読むのと違って読んでもらうと心が落ち着きますね。
Tammy:アニメのアンパンマンに慣れていたので、初期のアンパンマンが新鮮でした。困ってる人に、躊躇なく自分の顔(あんぱん)を差し出す姿がなんとも印象的で…どんどん顔がなくなっちゃうんですよね。正義って、ただ優しいだけじゃなくて、ときに自分の痛みや犠牲をともなうものなんだな…と、改めて考えさせられました。
さきえる:私がお腹を空かせている時に「さぁ食べて!」ってアンパンマンが来たら正直びっくりしちゃうかも…変なやつだ!って(笑)
ひげさん:いろんな感想があるな~(笑)僕はアンパンマンみたいに、誰かの幸せを自分の喜びにできるっていいなぁと思う。困ってる人がいたら、さりげなく声をかけたり、手を差しのべたり。そういう優しさを、みんながちょっとずつでも持って暮らしていけたら、もっとあったかい世の中になるよなぁ。
アンパンマンの作者やなせたかしさんが作詞した【手のひらを太陽に】をひげさんのギターに合わせて皆で歌いました♪
皆さんもご存知のこの歌、歌詞に「生きているから悲しいんだ」とありますが、なぜ1番の歌詞に”悲しい”がくるのだろう?
さきえる:生きていると嬉しいとかいろんな感情があるけど、悲しみとか痛みを知るからこそ、人を愛する気持ちが持てるんじゃないのかな?って。
ひげさん:そうだね、悲しみが分からなければ、思いやりの心って生まれないのかもしれないね。悲しさを知るって大切だな。きっとアンパンマンも悲しみが分かるからこそ、困っている人を助けてあげているんだろうなぁ。
最後は、ひげさんが「糸」(中島みゆき)を弾き語りで披露してくれました。絵本に囲まれたひっぽの店内に、ひげさんのあたたかな歌声がふんわりと響いて、なんとも言えない心がほどけるような素敵な時間になりました。

今回のおしゃべり会は、「50回の記念に、ひげさんとお話ししてみたいな〜」という私の一言からスタート。
そこから当日まで、何から何まで準備してくださったひげさん、純代さん。本当にありがとうございました。珈琲とケーキまで用意してくれて…その心づかいに感謝でいっぱいです。
絵本「あんぱんまん」を読みながら、やなせたかしさんの想いや、子どもたちへの願いについて、3人でゆっくり語り合いました。
「正しさ」というねじ曲がった正義がぶつかり合い、心ない言葉が簡単に届いてしまう…そんな今の世の中。
これからの社会を生きていく子どもたちの未来が、不安に感じることもあります。
だからこそ、アンパンマンのように「誰かのために優しくあれる」心を、私たち大人も大切にしたいなと思いました。最後に、やなせさんの言葉をお借りして――
「人間は欠点のない人を好きにはならない」
「ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい」
この言葉を、心にそっと置いておきたいと思います。

えほんカフェひっぽ
住所 函館市神山3丁目64-2
TEL 0138-87-2691
営業時間 11:00~18:00
定休日 毎週火、水曜日
HP http://hakodate-ehoncafe-hippo.com/
Instagram https://www.instagram.com/_cafe_hippo/