ひっぽのひげ文庫　vol.30 「さかなくん」

函館市神山にある【えほんカフェひっぽ】。店主の中川裕司さん（通称ひげさん）がおすすめの絵本を紹介してくれます。子どもだけでなく、大人にも響く絵本の数々をお楽しみください。
『ひげのつぶやき』では、父であり、教員経験のあるひげさんが見つめる子育てや日常のアレコレを綴ってくれます。これが心に沁みるんです～。どうぞご覧ください。

読者の皆様こんにちは、お元気ですか。
厳し過ぎた夏も終わり、大雪山に初雪が降り、秋がないうちに冬になりそうですね。函館のイカは不漁で高騰、サンマは針金みたいな型で買いたくならず、葉物の野菜は不作で高くて鍋も出来ず、今夜のメニューに悩みますねぇ。とりあえず、カレーにしましょうか。「家の晩御飯はカレーとシチューと豚汁のローテーションなんだ！」と豪語していた子がいて、下ごしらえが同じなので妙に感心したのを思い出しました。

「さかなくん」
作・絵：しおたにまみこ
出版：2022年　定価：本体1,300円＋税
偕成社

小学生のさかなくんは、毎日大好きな小学校に通っています。魚ですから、家を出る時には宇宙服のような水の入ったヘルメットにゴムのズボン、ゴム長靴と重装備です。
クラスに行くと、ネコさん、キツネ君、トカゲさん、にんげん君、フクロウ君などみんな友達です。先生はミーアキャットです。（こういう多様性があるのが当たり前のクラスなんだよなぁ、うらやましい！）
さかなくんは、体育が苦手です。その体育で転んでけがしてしまいます。保健室の先生はおん馬さんです。（いいなぁ～！）早退してボーっとしていると、みんなが自分のことを馬鹿にしているような気がして学校に行きたくないと思うのです。（私も風邪で休むと治っても行きたくなくなる子どもでしたね）
すると、嬉しいことにクラスメイトのトカゲさんとにんげん君が訪ねて来てくれます。しかも、素敵なプレゼントを持って・・・。
ほのぼのとした絵と深いい話にほっこりし、考えさせられること満載です。

おやすみ前の絵本タイムに読み聞かせしました。ストーリー途中、「もしかして、さかなくんはいじめられちゃうのかな？」そう思った私。いえいえ、そんなことはありません。
この絵本のような関わりが出来る子ども（大人も）になって欲しいなと思える一冊でした。
そしてイラストがとっても綺麗で、1ページごとにじっくり見てしまいます♪

そうそう！

幼稚園情報が掲載された【幼稚園ガイド】チラシはひっぽさんにも置いてます♪
欲しい方はひげさんに声をかけてね♪

学校を辞めて10年以上になりますから、多少のピンボケはお許し下さい。
小学校は「足し算」を重ね続けています。生活科や総合が足され、食育なるものも足され、パソコン教室が足され、英語が足され、更にプログラミング、道徳まで教科に足され、その度に先生方はそれぞれのカリキュラム作りで大混乱です。美しい日本語も基本的な科学、計算もわからん子どもたちはもっと大混乱で、不登校の増加です。当たり前のことです。教育に一貫した哲学を失っているわけで、「教育基本法」に立ち帰ってほしいものです。
子育ても「足し算」になっていませんか？
せめて水泳ぐらいは・・・、苦手な算数だから通販や塾へ・・・、字が下手だから習字へ・・・、みんなやってるからヒップホップへ・・・、などなど、放課後も帰宅後も一杯になってませんか？
子どもの本業は「みんなと遊ぶ」ことです。そこから、人間関係も社会性も生きていく力も自然に学び取るのですよ。
子どもの生活から「引き算」できるものはありませんか？断捨離のごとくスッキリさせたいものですが、いかがでしょうか。

子どもの頃、習い事が嫌でしょうがなくって、親に内緒でズル休みを繰り返していた時期がありました。（ちょっと遠い公園に隠れて時間つぶし。スリルがあって楽しかったな～笑）
結局、ズル休みしていたことがバレたけど、その時母にはあまり怒られなかった記憶が。そのかわり「〇級に合格したら辞めていいよ」という条件を提示され、必死になって頑張り見事合格。これでついに辞めれる～と喜んだのも束の間、「やっぱり〇級に合格したら」となんとも卑怯な提案。母も欲が出たんでしょうね。これには私も猛抗議をして無事習い事を一つ辞めることに成功しました。
私も母になった今、当時の母の気持ちも分かります。
私が必至になって辞めたかった習い事は、今では役に立つこともあるけれど、「つらい、行きたくない、しんどい」という感情が真っ先に浮かびます。
習い事が将来、大きな財産になることもあるけれど、基本は『子どもが自らやりたいこと』だけにするのがいいですよね。