SNSは、現代の子どもたちにとって欠かせないコミュニケーションツールとなっています。しかし、その利用が、子どもの発達や健康に与える影響は多岐にわたっています。 特に、10代については多感な時期であり、社会経験も未熟であることから、SNSの影響が深刻です。SNSで起きた誹謗中傷のために自らの命を絶つ若者や、危険な人物と出会って「闇バイト」に手を染める若者もいます。また、SNSにまつわる問題は、日本だけでなく、世界中で社会課題の一つとなっています。
子どもがインターネットやSNSを利用する現状
スマートフォンやタブレットは、小学生や中学生の間ではかなり普及しています。総務省のデータによると、小中学生のインターネット利用率は年々増加しており、特にSNSや動画共有サイトの利用が目立っているとのこと。また、Line、TikTok、Instagram、X、YouTubeが人気を集め、これらは娯楽だけではなく、コミュニケーションの手段や学習ツールとしても活用されています。
SNSが子どもに与える肯定的な影響
☆学びの機会の拡大 … SNSを通じて、世界中の最新情報や教育リソースに簡単にアクセスでき、これにより子どもたちは自らの興味に応じた学習が可能になる。
☆コミュニケーションの活発化 … SNSは、遠く離れた友人や家族とのコミュニケーションを容易にするとともに、同じ趣味や興味を持つ新しい友人を見つけることができる。
☆新しい社会的スキルの習得 … SNSを通じて、自分の意見を表現する能力や、他者の意見を尊重するスキルを磨くことができる。
☆創造性の発揮 … SNSは、イラストの投稿、動画制作、文書執筆など、自分の才能を発信する場として活用できる。
☆自己肯定感の向上 … 自分の作品が「いいね」やコメントを通じて評価されることで達成感や自信を得ることができる。
SNSが子どもに与える否定的な影響
★いじめや誹謗中傷 … SNS上でのいじめや誹謗中傷は大きな問題になっています。匿名性の高さが、攻撃的な行動を助長することがある。
★自己肯定感の低下 … 他者の投稿を見て自分と比較し、自分が劣っていると感じる子どもが出てくる。
★依存症のリスク … 長時間のSNS使用が習慣化すると、睡眠不足や学業への集中力低下を引き起こす。
★視力や体力の低下 … 長時間のSNS使用による視力の低下や、運動不足からくる健康問題が懸念される。
★個人情報の漏洩 … SNSに投稿した写真や情報が悪用されるリスクがある。
★不適切なコンテンツへの接触リスク … 年齢に不適切な暴力的、性的なコンテンツを目にする可能性が高まる。
SNSの被害から子どもを守るための対策
◎利用時間や内容の管理 … 学校や家庭で、SNSの正しい使い方やリスクについて教育することが重要。いじめやプライバシーの問題についても啓発し、子どもたちが安全にSNSを利用できるようにする。また、SNSの利用時間を適切に制限することで、依存を防ぐとともに、就寝前や勉強中の利用を控えるように指導する。
◎オープンなコミュニケーション … 親と子ども、教師と子どもの間でオープンなコミュニケーションを推進し、SNSでの経験や感じていることを共有する場を設ける。
◎プライバシーの管理 … SNSのプライバシー設定を確認し、個人情報が不適切に公開されないようにする。また、定期的にプライバシーに関するガイドラインを見直す。
◎政府主導の研究チームが始動 … 省庁担当者と有識者の作業部会が初会合を昨年11月に開き、インターネットを利用する未成年者をどう保護するかについて研究を始めた。
各国の子どもSNS規制の動き
■フランス … 保護者の同意がない限り、15歳未満がSNSを利用できないようにする法律を議会が承認
■イギリス … 子どもに有害なコンテンツのアクセス防止策を事業者に義務付け、違反に制裁金を科す法律の成立
■アメリカ … フロリダ州が動画を連続再生するSNSアカウントを14歳未満が取得するのを禁止
インターネットやSNSは、子どもにとって強力なツールである一方で、その使い方次第では重大な影響を与える可能性があります。親や教育者は、子どもがそれらを健全に利用できるよう、サポートしながらリスクを管理する役割を果たすことが重要です。バランスの取れた利用と適切な指導を通じて、子どもたちがデジタル社会の中で自立し、豊かな人生を送るための力を身につけることが期待されます。
次回、「児童に夢を! 校長先生の南極観測隊同行記」
福島町立福島小学校の長浦校長先生が南極観測隊として出発!その様子をあつまさ先生が取材しました!お楽しみに♪
【次回公開予定:2025年2月26日(水)】