『あつまさ先生の道しるべvol.53』~夢を叶えた小学校長の南極観測隊同行記~


函館新聞 7/1福島小・長浦校長、南極へ 第66次隊員同行者に
北海道新聞 7/12福島小校長・長浦さん南極へ 観測隊に同行、研究補助 来年1月オンライン授業「児童に夢を」
函館新聞 11/20南極の環境に関心 長浦校長が福島・吉岡合同のプレ授業
函館新聞 12/2南極に出発 長浦校長を激励 福島小で壮行会
朝日新聞 12/12南極行く小学校長は56歳、全国初『夢のかなえ方を伝えたい』
朝日新聞 1/20夢をかなえるために教員派遣プログラムで南極を訪れている小学校長
北海道新聞 1/23福島小の長浦校長、南極からオンライン授業 町内の100人参加
NHK函館放送局 1/23TVのニュース番組で「南極授業」を放映
北海道新聞 2/13『ひと 2025』南極観測隊に同行している福島小校長 長浦紀華

上記のごとく、昨年の7月以降マスメディアで頻繁に報道されていたので、ご存じの方は多いかとは思いますが、改めて長浦校長先生が『夢のかなえ方を伝えたい』という強い想いを、どのように実現しようとしたかを、プロフィールをまじえて紹介したいと思います。

 

長浦校長先生の経歴

函館市出身で北海道教育大学函館校を卒業後、平成3年(1991年)から渡島管内の中学校で社会科の教員として勤めた後、北海道教育委員会職員(指導主事)として道内各地で勤務し、令和3年(2021年) から函館市内の小学校2校で校長を歴任。昨年の4月に福島町立福島小学校に赴任 。
ちなみに、私(筆者)が教員時代、長浦先生とは渡島社会科研究会の研究同人でした。

福島町立福島小学校

町内の中心校で、全校児童数は83名。近隣の知内小からの巡回教員も含め教職員17名。小規模校ながら栄養教諭も配置されていて、給食費は無料とのこと。また、幼稚園や保育所との接続・連携の充実、吉岡小、福島中との学習規律等の統一した指導、福島商業高校との連携等々特色ある教育が行われている。これらの様子は、福島小学校の充実したホームページに詳しく掲載されています。
※校長先生の南極観測隊同行記「南極日記」は、ホームページのブログ欄で見ることもできます。

 

国立極地研究所の教員南極派遣プログラムとは

極域科学や極地観測に興味を持つ現職の学校教員を、南極地域観測隊の同行者として南極に派遣するプログラム。南極観測事業では、次世代の人材育成と極域科学の普及の観点から、教育関係者の南極地域観測への参加などの教育現場との双方向の連携を推進している。 平成21年(2009年)第51次南極地域観測隊より、全国の小・中・高等学校等の教員が観測隊に同行し、帰国後の授業や昭和基地からの「南極授業」を通じて、南極観測の意義や魅力を子どもたちへ届けている。南極観測隊は、越冬隊と夏隊に分かれています。このうち、教員南極派遣プログラムの派遣教員は夏隊に同行する。夏隊は、越冬隊と一緒に南極に向かい、前次隊の越冬隊と帰国する。

 

長浦校長先生の生涯の目標と夢

世界の3大洋(太平洋・大西洋・インド洋)と6大陸(ユーラシア大陸・アフリカ大陸・北アメリカ大陸・南アメリカ大陸・南極大陸・オーストラリア大陸)を全て見ることが目標で、これまでに3大洋と3大陸を制覇したが、残る3大陸のうち、最も困難なのは南極大陸に行くことだった。

目標や夢を実現させるためにチャレンジしたこと
10年ほど前、現役教員なら南極観測隊の同行者として南極に行けるチャンスがあると知り、函館市のえさん小学校で校長を務めていた一昨年の11月に、選考のための授業計画などの書類を用意し派遣プログラムに意を決して応募した。その後面接試験などを経て、昨年1月に候補者に見事内定。これまで小・中・高等学校等の教員27人が派遣され、15回目となる今回は過去最多の応募者47人から長浦校長ら2人が選ばれた。これまで校長で派遣された前例はなく、派遣時の年齢も最年長。
昨年3月には長野県内のスキー場で極地滞在を想定した訓練に参加し、体力的にも過酷な状況も「若い人たちに支えられた」と乗り切った。福島小着任後も渡航に向けた準備を続けた。そして昨年6月24日に第66次隊の概要が公表された。

 第66次南極地域観測隊行動計画と参加隊員等
2024年10月28日、文部科学省で開催された南極地域観測統合推進本部総会において、第66次南極地域観測行動計画が決定しました。同隊は、南極観測船「しらせ」に乗船して昭和基地に向かう本隊の他に、南極航空網(DROMLAN)を利用して南極入りする先遣隊、東京海洋大学の練習船「海鷹丸」で観測する別動隊の3隊に分かれて活動します。

第66次南極地域観測隊および「しらせ」の行動計画

 

第66次南極地域観測隊員・同行者の追加決定
2024年9月の南極地域観測統合推進本部連絡会において夏隊員20名、越冬隊員6名、同行者14名を追加決定し、総会で同行者5名を追加決定いたしました。これにより、原田隊長(兼夏隊長)、藤田副隊長(兼越冬隊長)を始めとする既決定者を含めて、第66次南極地域観測隊は114名(夏隊58名、越冬隊31名、同行者25名)となっています。 ※同行者25名の中に長浦校長先生が

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