『あつまさ先生の道しるべ vol.11』~”小1プロブレム”の原因・対策について~

夏休みも終わり、いよいよ来年の小学校入学について考える時期に入ってきました。ままっち!スタッフTammyの息子も来年小学1年生。心配事はつきません。
ところで、皆さんは「小1プロブレム」という言葉を知っていますか?近年問題視されている、この「小1プロブレム」について、あつまさ先生に原因や学校現場で行われている対策、今から家庭でできる対策などを紹介してもらいます。


 

小学校に入学したばかりの1年生に、スムーズに学校生活に慣れてもらうため、”幼稚園や保育園などと小学校との連携を考える研修会”が、函館市内の小学校で開催されたという記事が、北海道新聞のみなみ風に先日掲載(2021.8.21発行)されていましたね!

あつまさ先生
あつまさ先生

そうですね。私も興味深く読ませていただきました。
私の知人の校長が幼児施設に呼びかけて実現した研修会で、「小1プロブレム」解消が目的だとのこと。
幼稚園・保育園・小学校接続の重要性を示唆した取り組みで、今後の研修の深まりと他への波及が期待されます。

 

「小1プロブレム」とは
小学校に入学したばかりの児童が学校に適応できず、様々な問題を起こす現象のことを言います。具体的にはどんな問題行動を起こすの?

① 椅子にじっと座っていることができず、授業中に立ち歩くなど落ち着きのない行動をする。
② 学級全体の活動で自分勝手な行動をする。日常のあいさつや整理整頓ができないなどの行動が目立ち、学級の輪を乱す。
③ 先生の話を聞いたり、指示に従うことができない。

 

う~ん、、これは先生方も大変ですね。
このような状態っていつ頃まで続くのでしょうか?

あつまさ先生
あつまさ先生

十数年前までは、このような状態は、1か月程度経って、学校に慣れれば改善すると思われてきましたが、最近では小1プロブレムを起こした子どもへの対応が遅れ、長期化することで学級崩壊につながるケースがあると心配されています。

小1プロブレムの原因は?

① 幼稚園・保育園との環境の大きな違い
② 自己中心的な思考が強い
③ 自分をコントロールできない
④ 人とのコミュニケーションが苦手
⑤ 家庭でのしつけ

あつまさ先生
あつまさ先生

原因は、複数の要因が重なって起こると考えられています。中でも一番原因として大きいのは、幼稚園や保育園との環境の違いです。小学校に入れば時間割通りに行動することが求められます。45分の授業時間は、きちんと椅子に座っていなければならないし、休み時間や遊べる時間も短い。幼稚園や保育園の感覚が抜けきらない子どもは、集団行動や時間割通りに動くことに馴染めず、そのため、先生の指示に従わず自分勝手な行動に出るなどして小1プロブレムを起こすことになってしまいます。

のびのびとした園生活から、時間を守り集団ルールに従う小学校生活への切り替えが、原因のひとつなんですね。

あつまさ先生
あつまさ先生

そのため、幼児教育から小学校へとスムーズに移行できる環境づくりが重要となってくるのです。

そこで、教育現場で行われている小1プロブレム対策の具体例を紹介します。

 

教育現場で行われている小1プロブレム対策の具体例

① 先に紹介した新聞記事のように、幼稚園・保育園・小学校が連携し、先生方が互いの授業を公開し合い研修を深めています。

② 園児が小学校に行き、児童と交流したり、給食体験や体験入学などをしているところもあります。

③ 入学後の4月の期間は、いきなり勉強に入るのではなく、遊びながら学ぶタイプの学習「スタートカリキュラム」を取り入れ、同様に、幼稚園や保育園側では、卒園前に小学校での活動を意識したプログラム「アプローチプログラム」などが行われています。

④ 幼保から小学校への園児の引継ぎでは、前回紹介した「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を目標に、実践してきた評価を克明に記した指導要録の写しを園から小学校に送り届けています。

⑤ 卒園児を受け入れる小学校では、担当の先生が各園を訪問するなどして、卒園児の担任の先生等から園児の情報を聞き取り、学級編成やスタートカリキュラム作りの参考にしています。

 

先生方のこのような取り組みがあって小1プロブレムが防がれているのですね!
家庭でもできる対策があれば今から息子に実践したいなぁ…

あつまさ先生
あつまさ先生

家庭でできる対策もありますよ!
小学校に入学したら、ルールに沿って行動することが求められます。自分ひとりで判断し行動できるように、入学準備中に身につけておきたい生活習慣や、家庭でできることを紹介しますね。

 

小1プロブレムを防ぐために

入学前に家庭でできる対策!

① 食事や睡眠のリズムを整えるためにも、天気がいい日は外で元気に遊ぶ

② 心と体のより良い発達のためにも、早寝早起きを身につける。

③ 体温を上げ、脳や体を活発に動かすためにも、朝ご飯をしっかり食べる

YouTubeやテレビなどを見る時間や、ゲームをする時間を決め、ルールを守れるように習慣づける。

⑤ まわりの人に「おはよう」「さようなら」「ありがとう」の挨拶やお礼が言える。

自分で身の回りの整理整頓をするように習慣づける。

子どもができそうなことを選んで家のお手伝いをさせ、できたら褒めてあげる

⑧ 言葉の発達を促すためにも、保護者が子どもの話をよく聞いてあげる

絵本の読み聞かせなどを通して、人の話が終わるまで静かに聞けるようにする。

⑩ まわりの人に自分の気持ちを伝えたり、相手の意見を聞いたりすることができるようにする。

▼こちらの記事もご参考ください♪

『あつまさ先生の道しるべ vol.6』~10時限目~
今回は、「小学校入学準備で大切なこと」について小学校校長のご経験を持つ”あつまさ先生”に教えてもらいました!ぜひご参考にしてみてくださいね♪

 

あつまさ先生
あつまさ先生

決して焦らず、「できたこと」を褒めながら、お子さんの自立を支援し、小学校入学の不安解消に努めてください。

来春小学校に入学する息子にも、今から少しずつ家庭でできることを実践していきたいと思います(^^)

 

次回は、教育現場での小1プロブレム対策としてもご紹介した、『スタートカリキュラム』『アプローチプログラム』について、詳しくあつまさ先生に紹介してもらいます。
是非ご覧ください♪

次回の公開は、2021年9月22日(水)です!