ひっぽのひげ文庫 vol.44「サンタクロースと小人たち」

函館市神山にある【えほんカフェひっぽ】。店主の中川裕司さん(通称 ひげさん)がおすすめの絵本を紹介してくれます。子どもだけでなく、大人にも響く絵本の数々をお楽しみください。
『ひげのつぶやき』では、父であり、教員経験のあるひげさんが見つめる子育てや日常のアレコレを綴ってくれます。これが心に沁みるんです~。どうぞご覧ください。

読者の皆様こんにちは。ひっぽのひげです。
暮れの大掃除やら買い物やら慌ただしくお過ごしのことでしょう。何もしない普段の過ごし方でもいいはずなのに、そうもいかないのが年の瀬ですね。かく言う私も、ひっぽの鏡餅や玄関飾りをもう買ってしまいました。
もうすぐクリスマスですね。どんなクリスマスを過ごされるのでしょうか。
今月の絵本はやっぱりサンタさんです。

「サンタクロースと小人たち」
作:マウリ・クンナス 訳:稲垣美晴
出版:1982年 定価:本体1,800円+税
偕成社

フィンランドの北のはずれ、コルバトントリ山(高さ483mの実在の山です)のふもとにサンタさんと数百人の小人が住む村(サンタさんと小人たち、トナカイしかたどり着けないのです)があります。
その村に暮らすサンタさんと小人たちの物語です。
サンタさんは奥さんと小人たち、トナカイやペットたちと暮らしています。小人の子どもたちの学校があります。オモチャを作る木工場、印刷工場など沢山の工場と職人の小人がいます。
さぁクリスマスです、乗り物はトナカイのそりだけじゃなくて、飛行機もヘリコプターも登場します。
それぞれのページが詳しく細かく描かれていて、すごいのです。広い世代で楽しめる絵本だと思いますよ。

我が家も子どもたちと布団に入りながら読んでみました。
クリスマス前にプレゼントを作り準備する小人たち、”いい子”の調査をする小人たち、ワクワクしないわけがありません♪
ページいっぱいに描かれたイラストを、子どもたちとじっくり見るのも楽しい一冊です。

 

 

「さっきな、サンタさんが来て置いていったぞ。」

ぼそっと父が言いました。
夜中に目が覚めて、枕もとにあった包みを持って茶の間に行くと、薪ストーブのそばのちゃぶ台で年賀状を書く父がいました。いつものように、ウイスキーをちびちびやり、スルメをかじりながら、太い万年筆を動かしています。そばに座って包みを開けると、ケースに入った交通標識模型が10個ほど並んでいました。それが交通標識だと解ったのはだいぶ後のことで、その時はこれは何だろう?だったのですよ。父は何も言いません。

小学2年生のクリスマスの記憶です。昭和36年、63年前です。

そうやって大正生まれの頑固な父は、私を大事に育ててくれたのでしょう。
子どもの記憶にどんな風景が残るのかわからないのですから、さりげない日々を大切に。クリスマスだからと言って頑張りすぎない親でいたいもんです。

 


クリスマスプレゼントの準備はもうバッチリですか?
小3息子は何やらサンタの存在を怪しんでいる様子。(多分もうバレている)

皆さんはどんなクリスマスの思い出がありますか?
我が家は、父が庭の松の木や椿の木をライトアップするのが毎年恒例。近所ではちょっとしたイルミネーションスポットでした。
12月が近づくと物置からカラフルなライトを出し準備を始める父。習い事終わり薄暗い帰り道、家がだんだんと近づき見えてくるキラキラと光るイルミネーションに、心なしか早足に。
今でもあの時のウキウキ感、夕方のキーンと冷えた空気、耳を近づけるとチカチカと音をたて点滅するライトが蘇ります。

きっと皆さんにも、子どもたちにもそれぞれの思い出があるクリスマス。
美味しい食事をし、暖かい布団で寝て、プレゼントに喜べることに感謝し、家族で楽しいクリスマスを過ごせるといいですね。

さて、2024年の「ひっぽのひげ文庫」もありがとうございました!
ひっぽさんで発行される”おたよりひっぽ”200号発行を記念し、150~200号をまとめた冊子が年明け1月後半頃からえほんカフェひっぽにて販売♪
私Tammyもお祝いのコメントをさせていただきました(^^)
もしよろしければお手に取ってご覧いただけると嬉しいです。
それでは、2025年も「ひっぽのひげ文庫」をどうぞよろしくお願いします!

ままっち!編集部 Tammy

えほんカフェひっぽ
住所 
函館市神山3丁目64-2
TEL 
0138-87-2691
営業時間 
11:00~18:00
定休日 毎週火、水曜日
HP http://hakodate-ehoncafe-hippo.com/