産婆の手しごと 第7回目:立ち会い分娩 絶叫編

産後ケア助産院マーノの助産師、佐原(さわら)さんと瀬野(せの)さん。
お2人は函館市内の産院で、妊娠中~お産、産後のママに深く関わってきました。
目指すは【ママを孤独にしない子育て支援を!】
函館のプレママ、産後ママの生活や気持ちに寄り添う『産婆さん』として、すべてのママが子育てを楽しめることを願いながらコラムを綴ります。ご覧ください。

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第7回目のテーマ【立ち会い分娩 絶叫編】コラム担当:佐原(さわら)さん
佐原さん
佐原さん

コロナ流行も終息の兆しも有り、各産院や病院では立ち会い分娩を再開する所も出てきました。今回は立ち会い分娩について自分の助産師経験からいろいろ書いていこうと思います。

まず、母親教室をやっていると初産のママから必ず来た質問!

「立ち会い分娩ってした方がいいですかね?」

私は立ち会い分娩が好きです。
赤ちゃんが無事に生まれて家族が一体になる瞬間は、私の脳内BGMでエアロスミスの曲のサビが毎回流れています(映画アルマゲドンのやつね)一緒になって喜べるあの瞬間に立ち会えるのは助産師としても本当にやりがいもあるし、たまに一緒にうおー!頑張ったー!とうれしくて泣けてくることすらあります。

かといって、絶対しましょう!とは言い切れない部分があるので、ママさんとパパさんでどういう思いで立ち会いをするかしないかを考えているのか話合うのは大事だと思います。
そこで、考える材料になれば、と今回はママ側視点とパパ側視点のよくある立ち会い分娩でのお話を何回かに分けてしていこうと思います。

 

お産直後ママからのよくある感想「痛すぎて絶叫しちゃった。パパさんや周りに絶叫しているところを見られたのが後ではずかしい」

私が思うに、むしろ声を出さない人の方がまれだし、よく「鼻からスイカ」なんて言われますが、普通に考えて足の小指をぶつけただけでも痛くて声が出るのに、未曾有の痛みに声が出るのは当然です。

恥ずかしい事なんてないです。

他の病室の人だったりも「自分もそうだったなあ」とか「がんばってるなあ」とお産何日か先輩の身として温かく見ています。叫び出したくなるくらいママは頑張ったんだ!と、立ち会ったからにはそれも共有してもらう心づもりで、パパさんにはお産に参加してもらいましょう!
後から寝入る前に「あ“~!あんなことを言ってしまった~!」と思い出して顔から火が出そうになることがありますが、無事に出産したんだから無問題。もしどうしても気になって眠れないとなったら、パパと一緒にお産の振り返りをするといいと思います。お互いに客観的に捉えることができると思います。

 

直後パパからのよくある感想「陣痛で叫んでいるときにママにどうしてよいかわからなかった。なんとなく怖かった」

いつもと違うママさんを目の当たりにしたら、戸惑います、わかります。
私の経験上、叫び方にもいろんな型や傾向があるように思っていて、勝手に名付けて分類してみました。

 叫び方の分類

ジェットコースターみたいな悲鳴型…「キャー」「アー!」など 一番多いかな。
②実況中継型…「あーもう出る出るぅ!」「痛―い!腰痛―い!」 これも多い。進行が早い人が多い印象。
③獣の呼吸型…「うおー!」「ぐあー!」 猪突猛進。お産の直前だけ叫ぶ人に多いかも。それまでは静かだったりする。
④イライラ型…「もうイヤー!」「無理無理」「○△☆✕●(罵詈雑言)」痛すぎてちょっと汚い言葉になっちゃう。時間がかかって疲れちゃってこう叫ぶ人も多い印象。
⑤絶叫号泣型…痛すぎて号泣してしまう。この型はパパさんや周りがいると安心してお産に臨める。

➡ 大体こんな感じだと思いますが、いつもとあまりに違うので、LDRなどにお産の始まりから一緒に立ち会えるパパさんは徐々に痛さで変化する様子を見ているので受け入れやすいですが、お産間近で入ると面食らってしまうと時があると思います。
そして、どんな感じになるのかは、お産になってみないとわからないんです。
心構えをしておかないと、特に、④のイライラ型の時は、自分に不満を言われたと思って心がモヤモヤしてしまうパパさんもいます。でも、ママさんの本心じゃありませんから!そこ強調します!

じゃあパパ・ママどう対応しよう?

➡ まず、ママは叫ぶのは問題ないですが、叫びすぎないように自分の心を深呼吸で落ち着かせましょう!ヒヒフーができるのはかなり鍛錬が必要!深呼吸さえできれば出産はできるので難しく考えずに吐く方を長くを意識した深呼吸をお産が始まったらしていきましょう。
パパはいつもと違う様子を見ても、まずは落ち着きましょう。
ママがしている呼吸を一緒に合わせると、気持ちが同調しやすいと言われています。
私も、お産の介助の時はママと一緒のリズムや長さで呼吸を合わせて、赤ちゃんが産まれてくる手助けをしています。ママに力を分けるつもりで、手を握ったり、声をかけたりして気持ちを合わせるように付き添います。勿
論、先生や助産師・看護師がママとパパをサポートします!

佐原さん
佐原さん

お産の形や立ち会いをする、しないということに正解不正解はありません。赤ちゃんを家族みんなで笑顔でむかえるために話し合う、という課程が実は一番大事なのかもしれません。

産後ケア助産院マーノ
函館市美原3丁目59-7
電話 090-2074-2059
E-mail mano35jyosanin@gmail.com
HP https://35jyosanin-mano.amebaownd.com/


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