我が子に子ども部屋を与えたが、「散らかし放題になっている」「何度叱っても片づけなくて困っている」という悩みを事を、多くの親御さんから耳にします。
あるハウスメーカーが子ども部屋についての調査を行ったところ、
小学1~2年生が41%、小学5~6年生では、66%。
小学校1年生(27.8%)が最も多く、次に幼稚園年長(15.9%)とのこと。
子ども部屋を与えた理由を見ると、小学1年生では「一人で勉強できるように」、2~3年生は「一人で寝られるように」と子どもの自立を願う親主導の解答が目立つが、4~6年生では、半数が「子どもが欲しがった」からという、子ども主導で子ども部屋を与えることになったケースが増えていました。
1 ものが増え、収納スペースが足りなくなったから
小学校に上がると、まずは教科書や絵の具などの教材が増えるし、学年が上がると習字道具やリコーダー、鍵盤ハーモニカ、裁縫道具に彫刻刀など、意外と場所をとる物が次から次と家にやってきます。さらには、タブレットや学校・学級通信、テストなどのプリント類も。
小学校入学の段階では子ども部屋を与えないにしても、こうした学用品などを置ける場所を確保することが必要になってきます。また、習い事などをしている場合には、そこで使用する用具(運動用具・学習用具・ユニホーム等)がさらに増えてきます。
2 子どもが何らかのストレスを抱えているから
部屋は自分の心を現す鏡でもあります。子どもたちは朝早くから学校へ行き、授業を受けて、友だちと遊び、また重たいランドセルを背負って帰ってきます。子どもにとって学校は世界の全てのようなところですが、そこではいろいろなことが起こります。「友だちとケンカしてしまった」「勉強が面白くなく難しい」「忘れ物をして先生に叱られた」などなど、嫌なことがあったとしても、いちいち親には言わないという子も多く、子どもは子どもなりのストレスをため込んで家に帰ってきます。さらに、習い事をしている子においては、そこでのストレスも重なってきます。
★収納スペースの確保と、物の置き場所を決める
新しく物が増えたら、お子さんと一緒にそれぞれの物の置き場所(その物の住所)を決めておけば、散らかってしまったときにも戻す場所がわかっているため、片づけやすくなります。写真に撮って掲示しておく方法も効果的です。
私たちは、たくさんの物に囲まれて生活しています。何がどこにあるか、すぐにわかると便利です。例えば、お子さんへの声かけで「ちゃんと片づけて」というよりも「その物の住所はどこ? 元の場所に戻してあげて」と伝える方が、言う方も言われる方も嫌な気持ちにならずにすみそうです。
★子どものストレスに気づいてあげる
ある精神科医は、子どもたちはたとえ楽しいことがあったとしても、脳は疲れるのだと言っています。脳が疲れるとストレスもたまります。ですから子どもの部屋が散らかるときは、片づけることができないほど、外でたくさん脳を使って帰ってきているということが考えられます。
部屋は子どもの疲れ具合を現してくれる心のバロメーター。親は、子どもが悩んでいることや、頑張っていることを見つけて、その気持ちに寄り添うような言葉をかけてあげましょう。例えば、「毎日頑張っている子の部屋だね」と、たとえ散らかっていても優しく声をかけてみてください。
★親自身も率先してリビングや台所などを片づける
子どもに部屋の片づけをやって欲しいと思うならば、まずは親がリビングや台所などの片づけを実践してみてはいかがでしょう。子どもは親の様子を見ているものです。子どもが自分で動き出すマジック、それは、親自身がまずはやって見せるということでしょう。
★片づけることの楽しさや片づいた後の気持ちよさを幼少期から体感させる
親が楽しそうに片づけや掃除をしていると、子どもが近寄ってきて手伝ってくれるときがあります。このとき「手伝ってくれてありがとう、おかげで、すっきりきれいになったね」などと褒めてあげると、子どもは片づけは楽しいことだと思い始めます。このチャンスをきっかけに、子どもは遊んだおもちゃやぬいぐるみなどを自分から元の場所に片づけようとします。この体験を幼少期から積み重ねていくと、物で溢れる学童期も乗り切ることができると思います。たとえ、子ども部屋が散らかし放題になっても叱らず、子どものストレスを和らげだり頑張っていることを褒めたりすると自ずから片づけるようになるものです。可愛い我が子を信じて待つことが大切です。
物の置き場所(住所)を決めておき、使ったら元の場所に戻すことが習慣化できていると、物の種類や数が増えても分類して整理整頓することが楽しくできるようになってきます。また、きれいに整った空間になると、ほこりや汚れが気になってくるので自ずと掃除に力が入り、ますます快適な空間にしようとする意欲が湧いてくるものです。このプラスの連鎖が子どもの集中力、思考力、判断力を高めることにつながり、ひいては子どもの能力を開花させ幸せな人生に導いてくれることになります。
我が息子は来春小学4年生。
そろそろ子ども部屋の準備だなぁと思いつつ、「片付け」が気掛かりで腰が重い私です。
親として”環境を整えてあげること”と”やる気を起こさせる声かけ”が重要だなぁと
次回は「子どもの視力低下の原因と予防法は」についてご紹介します!
【公開予定日:2024年12月25日(水)】