ひっぽのひげ文庫 vol.53「大ピンチずかん」

函館市神山にある【えほんカフェひっぽ】。店主の中川裕司さん(通称 ひげさん)がおすすめの絵本を紹介してくれます。子どもだけでなく、大人にも響く絵本の数々をお楽しみください。
『ひげのつぶやき』では、父であり、教員経験のあるひげさんが見つめる子育てや日常のアレコレを綴ってくれます。これが心に沁みるんです~。どうぞご覧ください。

読者の皆様こんにちは。
まだまだ暑い日が続いていますが、お変わりありませんか。それでも朝晩の涼しさが戻ってきて、ひと息つけるようになりましたね。暦はすっかり秋なのですが、この暑さはいつまでなんでしょうかね。

そんな中で、秋の味覚のサンマが今年は美味しいですね。
デカい!ウマい!安い!さほど安くもないのですが週一で食卓に上がってきます。丸ごと焼いて、小骨を気にせずはらわたごと食べると、ジワーッと苦みが広がります。幸せな秋を実感するのですよ。つい太ってしまう危険な秋です。

「大ピンチずかん」
作:鈴木のりたけ
発売:2022年 定価:本体1,500円+税
小学館

牛乳をあふれさせてしまうピンチの表紙ですっかりお馴染みのベストセラー「大ピンチずかん」です。こぼした牛乳をすすっているとコップを倒して、更にピンチが拡大します。

沢山のピンチそれぞれに1~100のレベルが付いていて、ページをめくっていくとだんだんレベルが高くなっていきます。先の「牛乳があふれる」レベル29、「そのコップを倒す」レベル36という具合です。

「バッグのなかですいとうがもれた」レベル51、さらに「おしりがじっとり」でレベル54。ですが、その対処方法は書いてないのですよ(たまぁに書いてあります)。そうならないための注意事項なんてシャレたことも書いてありません。時々「大ピンチクイズ」なんていうのも登場して楽しめます。

この作者、今までの人生の中で、沢山のピンチを楽しんできた方なのだろうと思いました。だからピンチにならないような注意事項より「やっちまったな」を楽しめばいいんだ、対処方法なんてどうせ母親に叱られるだけだしなという感じなのでしょう。いいですねぇ。最近のひげのピンチは・・・また今度。

ありとあらゆるピンチがたくさん!あ~そういう時あるあると思いながら読みました。この本だけでもピンチだらけなのに、2巻3巻と続いているんですね!や~人生ピンチだらけだ!
大ピンチずかんシリーズ

 

 

最近、「困ったなぁ」と立ち止まることが、なくなってきたと感じます。

旅行に行っても分厚いJRの時刻表なんて不要で「乗換案内」のアプリは最強です。乗車切符だって買ったことなく、ひげは「キタカ」です。行きたい観光地へは「カーナビ」なので地図帳は要りません。

分からないことは、調べなくても何でもケータイが答えてくれます。先日、吹き抜け天井の火災報知器が鳴りまして、びっくりしてケータイで調べると「虫か埃での誤作動」で納得。消防へ通報しなくて良かったと思いました。

子どもたちの生活の中で「不便だなぁ」「困ったなぁ」はあるのでしょうか。「大ピンチずかん」は「困ったなぁ」のすすめなのかもしれません。

大人の暮らしに困った感が薄い中で、子どもに沢山の「困った」は必要でそこから生きるための知恵や工夫が生まれます困ったあげくに失敗することも必要です。成功するより失敗から学ぶことの方が多いことは言うまでもありません。
「困ったなぁ」を楽しみましょう。


朝晩涼しくなって、お布団が最高に心地よい季節となりました。
携帯アラームのスヌーズを何回も押す朝、それなら最初からその時間に設定しろよといつも自分につっこみたくなります。

さて、今回のつぶやき「困ったなぁ」。
私も何かあるとすぐスマホ頼り。すぐに【検索】→【解決】です。
検索する前に「考える」という工程を飛ばしがち。
子どもたちには、まずは”自力で考える時間”を持たせたいですよね。
そして結果失敗しても、また”挑戦する粘り強さ”を身に付けて欲しいなと強く思います。
人生はトライ&エラ―の繰り返し。
ひげさんの最近のピンチ、気になりますね♪

ままっち!編集部 Tammy

えほんカフェひっぽ
住所 
函館市神山3丁目64-2
TEL 
0138-87-2691
営業時間 
11:00~18:00
定休日 毎週火、水曜日
HP http://hakodate-ehoncafe-hippo.com/
Instagram https://www.instagram.com/_cafe_hippo/