第37回【前編】
函館五稜剣友会では小中学生を中心に37人の子どもたちが剣道を学んでいます。藤井さんは6人の指導者のうちのお1人として、主に初心者コースを担当しています。剣道を始めたばかりのお子さんに剣道の基本、そして楽しさを教えています。藤井さんが剣道を始めたのは小学1年生の時。ご自身のお兄さんの影響だそう。学生を経て社会人、そして結婚してママになった今も、剣道は藤井さんの生活の中心にあり続けています。
座右の銘は『文武不岐(ぶんぶふき)』
指導者でありママでもある藤井さんの1日は、14時までお仕事→帰宅後は急いで夕飯作り→17時にはお子さん2人と道場へ出発→22時過ぎに帰宅(週末は終日稽古や大会)と、ハードスケジュール。『好きなことを続けているだけなんです。』と話す藤井さんですが、継続することは簡単ではありません。このような生活を支えているのは、家族と職場の理解があってこそ。『パーフェクトではないけれど、好きな剣道を続けるうえで、家族の夕食をしっかり用意することだけは自分に課した絶対条件です。』と話す藤井さん。母として、指導者としてどちらも極め、向上していきたいという思いは、ご自身の座右の銘でもある『文武不岐』という言葉に通じているそうです。
そんな剣道一色の藤井さんが、過去に1度だけ剣道を続ける事を断念したことがあったそう。その際に、今現在所属している『函館五稜剣友会』の指導者の皆さんが藤井さんを必要としてくれたことは大きな励ましとなりました。挫折、そしてコロナによる稽古の中断を経験し、自分自身がいかに剣道にを支えられてきたのかを実感したそうです。
わかりやすく・根気強く・一人一人を大切に
子どもたちを指導する上で心がけていることは、難しいことを言うだけでなくわかりやすく引き付けるような話し方をすること。まだ理解度にバラつきがある年代の子どもたちなので根気強く。そして、顔色やしぐさを見たり、体調の変化や気分の動きを注意深く見ながら指導しています。『生徒さん全員が自分の子どものような気持ちで接していますね。一生懸命でかわいいんです。日々勉強!一緒に成長!そんな気持ちで指導に当たっています。子どもたちと接していると、毎日必ず得るものがあって楽しいですよ。』と話す藤井さん。
ママとしての実体験が指導に活きていることを感じながら、やりがいを感じる毎日を送っているそうです。
子どもたちに接する藤井さんの凛とした姿がとても素敵でした。
次回は藤井さんが感じる剣道の魅力、函館五稜剣友会の取組みをご紹介します。