函館市神山にある【えほんカフェひっぽ】。店主の中川裕司さん(通称 ひげさん)がおすすめの絵本を紹介してくれます。子どもだけでなく、大人にも響く絵本の数々をお楽しみください。
『ひげのつぶやき』では、父であり、教員経験のあるひげさんが見つめる子育てや日常のアレコレを綴ってくれます。これが心に沁みるんです~。どうぞご覧ください。
6月は、「水無月」といいます。本州では梅雨の時期ですから水がないわけでもないのに不思議に思います。その由来なんて今どきは検索すればすぐわかるのですが、自分なりに妄想してみるのが好きです。ひげの妄想は「この6月は雨を降らせすぎて神様のいる天上界に水がなくなるから・・・」というのはどうでしょうか。
「ぼく モグラ キツネ 馬」
著:チャーリー・マッケジー 訳:川村元気
出版:2021年 定価:本体2,000円+税
飛鳥新社
ぼくは、まずモグラと出会います。モグラに「おおきくなったら、なにになりたい?」と訊かれてぼくは「やさしくなりたい」とこたえます。予想外の答えに、読んでいてビックリ、やられたと思いました。そんなやり取りが、キツネや馬とも続いて、4人で旅というか当てなく歩くというか「ぼくたちはこんなにとおくまできた。」で、終わります。
子どもにも大人にもそれぞれに響く絵本だと思いました。読者によって受け取るものが違ってくる絵本だとも思いました。ハードカバーの単行本みたいで取っつきにくいし、2,000円と高いのですが、お薦めです。
イギリスでは2020年に一番売れた本となり、アニメ版ではアカデミーを受賞した世界的ベストセラー本です!
私もひっぽさんで読ませてもらいましたが、まず味のあるイラストがこの世界観にぴったり。難しい言葉はないけど、導いてくれるような、そっと寄り添ってくれるような、ほんわりと心が温かくなる作品でした。
どういう姿が自分の自然体なのか難しく、一生の課題なのかもしれません。「中川先生」はきびしくておっかない先生だったのです。40代後半になって子どもたちとの距離は開く一方で、自然体でもなく「なんだか違うなぁ」目指していた教師像ではないと思いました。そこで、大規模校に異動した全校朝会で「先生の名前はひげちゃんです。みんなひげちゃんと呼んでね。」ふーっと楽になりました。この時、担任した6年生は今28歳くらいですが、今だに親子でひっぽに来てくれる子が多いのです。現在の自分はストレスのない自然体でいるのではないかと思っています。
自然体でいることのポイントの一つは「比べないこと」だと思います。子どもの自己肯定感は「比べる」ことで成り立ちます。残念ながら学校社会は比べることだらけなんです。「あの子にはかなわない」「あいつよりまし」そうして自分の居場所を確認するんです。
もう少しお話ししたいのですが、紙幅が尽きました。来月に続きをお話しすることにします。
私が一番苦手としていることかもしれない「自然体でいること」。どうしても、相手の望む自分であろうとしてしまいがちです。以前、接客業をしていた私にとってはそれが良い面で働くこともあったけど、やっぱり疲れちゃうんですよね。そんな私に「ありのまま」を教えてくれたのは”推し(BTS)”の存在。かっこいい彼らですが、抜けているところもあって決して完璧ではなく、でもそれを受け入れ『LOVE YOUR SELF』をいつもファンに伝えてくれます。推しは偉大だ…(話がそれました笑)
十人十色、みんな違ってみんないい。
とは言え、ついつい自分も含め子どもに対しても比べてしまいがち。来月の「つぶやき」の続きも気になります!
あ、気分転換に今月から「ひっぽのひげ文庫」デザインをリニューアルしてみました!
これからもどうぞよろしくお願いします(^^)
ままっち!編集部 Tammy
えほんカフェひっぽ
住所 函館市神山3丁目64-2
TEL 0138-87-2691
営業時間 11:00~18:00
定休日 毎週火、水曜日
HP http://hakodate-ehoncafe-hippo.com/