産婆の手しごと 最終回:産後ケアのこれからに思う事

助産院を始めて来年3月で3年目に突入します。これまで利用者さんに関わらせていただいて、本当に自分の孫を見ているような感じで一緒に赤ちゃんの成長を見させていただきました。産後ケアのくくりは1歳までですが、時折ひょいっと大きくなった子を見せにきてくれたりする人もいて、うれしい限りです。1歳を過ぎてということで、みんなとそれで繋がりが切れてしまうのも悲しいので、今はコロナの状況を見ながらですがマーノに通ってくれている人同士の有志でファミリー交流会を開いたりもしています。

交流会ではパパ同士、ママ同士だけでなく、上のお子さんも一緒に交流しています。コロナ禍ということもあり、なかなかパパママそろって自分の子どもが他の子と遊んでいる姿を見る機会がなかったり、パパ友・ママ友ができにくかったりします。試験的に第一回交流会を始めたときにみんなにどう話を振っていったらもりあがるかなあなんて思っていたら、私はただ少し遠くからニコニコ見ているだけでいいような感じで自然派生的にみんな赤ちゃん達もですが、ママ・パパも打ち解けていました。先輩ママさんパパさんから色々な事を聞いたり、同じくらいの月齢のパパ・ママ同士で悩みを相談し合ったり。実際に月齢は同じくらいでもこんなにみんなの個性は違うんだよということを肌で感じるような雰囲気で、ネットの情報じゃなく、リアルな人の繋がりからの情報って、本当に育児をする人にとって大事だなとあらためて思いました。今は助産院は同時に2組以上のケアは行っていないんですが、ゆくゆくは交流もかねて2組以上同時にケアできるようになれればなとも考えています。枠組のなかでできる事は案外工夫次第でいろいろな視野で広げていけるんじゃないかなと感じています。

私は「辛いときでも一人じゃない」、と育児をする人が思えるような支えが「産後ケア」と私は思っています。でも自分一人ができる事は限りがある。その限界値を日々感じながら、そしてなんとか自分の限界値を上げていけるようにとケアにあたっています。一人一人来院する方は悩みも様々だし、赤ちゃんの個性もそれぞれ、ゆえに育児をする人の支援ニーズは一人一人違うと思います。手伝ってほしい、助けてほしいと思ったときに、たくさんある選択肢の中から自分のニーズに合わせてサービスをカスタムできる、そんな「産後ケア」が徐々にひろがっていってほしいな。首都圏みたいに選択肢があふれているわけではないから、もしかしたら辛いけれどニーズに合う物がなくて辛いまま頑張ったパパ・ママがいたかもしれない。そんな人を少しでも減らせるように病院・クリニック、保健所、助産院と地域の人たちを支えていけるような連携をこれからもしていきます。

佐原さん
佐原さん

産後ケア助産院マーノの連載は、今回で最終回となります。これまで読んでくださった読者の皆さん、関わってくださったすべてのみなさんに感謝の気持ちを込めて。ありがとうございました!

ありがとうございました!2021年6月のスタートから1年半にわたり、プレママ・産後ママに向けてたくさんのやさしい言葉を発信してくださいました。産後のママに寄り添ってくれる助産師さんがいる、ということは函館で出産育児をする上でとても心強いことです。悩みや不安は一人で抱えず是非マーノの佐原さんに相談してみてください。

産後ケア助産院マーノ
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