新卒初任校(椴法華小学校)で、幸運にも金管楽器を取り入れたスクールバンド指導に8年間も携わることができたが、スクールバンドがない転任校(知内小学校)では、同じような活動ができるか当初不安であった。
しかし、担任した5年生の音楽の授業で、自前のトランペットを吹いてみせたり、前任校の5年生と夏休み音楽交流をしたりしたことで、金管楽器演奏に対する憧れを増し、私が個人で所有していた数台の金管楽器(トランペット、トロンボーン、クラリネット、テナーサックス)を吹いてみたいと願い出る好奇心旺盛な子どもたちが多数出現。なかには、高価なアルトサックスを保護者に買ってもらう子まで。5年生が中心メンバーの音楽クラブは、こんな経緯で誕生し当初の不安も一掃。
好きこそ物の上手なり。子どもたちは、朝練習や放課後練習、時には土日の特別練習にも積極的に参加し、演奏技術を高めた。
10月の学芸会での音楽クラブ演奏で、その成果を披露。
演奏曲は、当時流行っていた「スカイ・ハイ」
学芸会での演奏で自信を深めた子どもたちに挑戦させたいと思い立ったのは、毎年11月下旬に函館市民会館で開催される函館地区小学校管楽器交歓演奏会出演。でも、いきなり今年度は無理と考え、演奏会見学という形で参加させてもらった音楽クラブの有志は、各校のクールバンド演奏をじっくり鑑賞することができた。
そして翌年、町教委の支援で楽器も増え、管楽器講習会に参加するなどして演奏力も磨き、晴の舞台での演奏が実現。
知内小学校スクールバンドが初めて管楽器交歓会で演奏。演奏曲は「風は秋色」 「アフリカン・シンフォニー」の2曲。以後、毎年出場することに。
更に、卒業間近の6年生有志(4人)が挑戦したのが、サクソフォーン四重奏での函館地区吹奏楽アンサンブルコンクール出場。その後、後輩たちもソロコンクールやアンサンブルコンクールに出場することに。
快挙を成し遂げた4人は、知内中学校吹奏楽部に入部し、有名な品田先生の指導のもと演奏活動を続け各種コンクールで好成績を収めました。
音楽クラブの出演機会は、学校行事やコンクールに留まらず、町主催の「産業まつり」・「サマーカーニバル」、更には「青函連絡船周遊の旅」での船上演奏までに発展。時には、知内小・中・高校の吹奏楽部による合同演奏も。
知内小在任6年目には、知内小学校スクールバンドは函館地区小学校管楽器交歓演奏会の出演校を代表して、札幌市民会館で開催された全道小学校スクールバンドフェスティバルに出演する機会を与えられた。
都会の学校でなくても、機会に恵まれれば地方の学校の子どもたちでも貴重な音楽活動が体験でき、そのことで子どもたちの心は豊かになっていくことを確認した2校でのスクールバンド指導経験。
コロナ前の令和元年度の第47回函館地区小学校管楽器演奏会に、私が歴任した2校(椴法華小・知内小)のスクールバンドが出演していたことは、実に嬉しい限りです。
脈々と続いてきた部員と指導者並びに保護者の方々による絶妙なバトンワークに敬意を表したいと思います。スクールバンドの魅力と子どもたちの能力の高さと限りない可能性を体感した両校での15年間に改めて感謝したい。
次回は、「縄跳びの勧め」を幼稚園勤務時の経験をもとに紹介したいと思います。
【公開予定日:2023年8月30日(水)】