『あつまさ先生の道しるべvol.42』~フリースクールの現状と課題~

増え続けている不登校

2022年の文部科学省の調査によると、全国の小中学校で学校を30日以上欠席した“不登校”の子どもは24万人前年度比25%増加で過去最多となっている。また、函館市教育委員会によると、2022年、函館市内の公立の小中学校で年間30日以上欠席した児童と生徒のうち不登校となっているのは、小学校で149人、中学校で353人と、前年度より52人増え、あわせて502人に上ったとのこと。不登校の児童・生徒は、函館市でも過去最多となっている。

不登校とは

文部科学省では、不登校の子どもたちを下記のように定義している。

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの。

少子高齢化社会で子どもの絶対数が減っている中で不登校が増えてきているのが実情。不登校自体は悪いことではないが、多くの子どもが学校で苦しんでいるので、深刻な自体。さらに近年はコロナ禍の影響もあり、小学生の不登校が年々増加傾向に。これまで中・高校生の問題だと思われていた不登校が若年化している。小学校低学年から不登校になる子も多く、親の負担や本人の負担感は大きい。

※一般的に、「不登校」という表現が使われ始めたのは1990年代に入ってからで、それまでは「登校拒否」と呼ばれていた。

 

不登校の子どもたちの「居場所」としてのフリースクール

上記のように不登校の子どもたちが年々増え続けているが、その子どもたちは、在籍している学校に通えていない間、どのようにして過ごしているかというと…。教育を支援する場所だけで考えれば、家庭や塾や通信教育を選択することが可能だが、友だちや先生と直接コミュニケーションをとる機会が減ってしまうため、子どもの「居場所」として機能してきたのが、「フリースクール」という場所である。

文部科学省も認めた、学校以外の「学びの場」
文科省も、不登校増加を重要な課題として認識し、2017年2月「教育機会確保法」を施行させた。この法律は、個々の状況に応じた不登校支援の必要性をあげており、子どもたちの学ぶ権利を保障することを目標としている。これにより、「フリースクールなどの公教育以外の重要性を国が認めた」ことになる。

文科省が廃止した「学校復帰前提策」
2019年に文科省が出した「令和元年度『不登校児童生徒への支援の在り方について』」という通知では、不登校児童生徒への支援に対して「フリースクールなどの民間施設やNPO等と積極的に連携し、相互に協力・補完することの意義は大きい」と明記し、フリースクールの重要性を認めている。また、この通知では、フリースクールを含めた学校以外の民間施設などの取り組みを適切に評価し、学習指導要領などに記入することを求め、不登校の子どもにとっての目標は「学校復帰」よりも「社会的自立」であることを強調している。

 

フリースクールの現状

現在、日本で約500カ所近くのフリースクールが運営されており、4,000人以上の小中学生が通っている。不登校の子どもたちが主な通学者だが、学習障害や発達障害の人を支援しているフリースクールも存在する。運営は主にNPO法人や個人の民間が行っているが、文科省も前述のとおりその意義を認めている。学習指導要領などの指導内容の縛りがないため、フリースクール毎に趣旨や目指すものが異なり、活動内容も多岐にわたっている。また、精神面での支援にも重きを置いており、悩み相談やカウンセリングなどを提供している。

 

 

フリースクールの特徴

☆入学資格を設けていない
☆異なる年齢・年代の子どもが集まっている
☆決まったプログラムやカリキュラム持っていない

授業内容は教科の学習ばかりでなく、他者との交流を行いながら自分の好きなことを自由に学ぶことができる場所であることが多い。「ハロウィーン」などの行事を自分たちで企画したり、ハイキングなどのレジャー活動、劇や合唱の発表会、料理などを行ったり、その活動内容は実に様々。また、自由や個性を重んじながら、施設のスタッフや他の子どもと接することができるフリースクールは、不登校の子どもたちにとって社会との接点をもつ場所でもあり、ソーシャルスキルのトレーニングの場ともなっている。なお、不登校児童生徒が学校外の機関で指導を受けた場合について、一定の要件を満たすとき当該校長は指導要録上「出席扱い」にできることとしている。

 

函館・近郊にある主なフリースクールや不登校の居場所や相談機関

★一般社団法人 函館圏フリースクール「すまいる」
函館市にある唯一のフリースクール。月~木曜日にフリースペースを開設し、小学生から高校生年代の子どもが毎日10名近くが利用してる。また、学習支援やメンタルフレンドなどの訪問サポートも行って、不登校等の情報の提供や相談、親サロンも毎週木曜日に開催している。

住所 函館市五稜郭町25-6 渡島教育会館内
TEL 070-4156-3195

函館圏フリースクールすまいる
【活動場所】 〒040-0001 北海道函館市五稜郭町25-6 「JR五稜郭駅」、「市電五稜郭公園前」より徒歩15分弱の場所です。函館バスだと「田家入口」から5分程度になります

★サポートベース函館(2023年度から開設)
<ねらい>
さまざまな理由で登校できない児童生徒を対象に,一人一人の状況に即した支援を行い,社会的自立または学校生活への意欲を高めている。
<通所対象>
函館市内に在住し,さまざまな背景や要因,状態により登校できない状況にある児童生徒を対象としている。
<支援方針>
不登校児童生徒が,主体的に社会的自立や学校復帰に向かうよう児童生徒自身を見守る。不登校のきっかけや継続理由に応じて,その環境づくりのために適切な支援や働きかけを行う。また、保護者と面談を行い,課題の解決を図る。

住所 函館市湯川町3丁目38-38 教育委員会学校教育部 南北海道教育センター内
TEL 0138-57-8251

サポートベース函館 | 函館市
北海道函館市の行政サービスポータルサイト。住民登録、子育て支援、高齢者福祉、保育園入園、医療保険、介護保険など、暮らしに必要な行政サービスをまとめてご案内します。

★一般社団法人KIDS ARE ALRIGHT 七飯「ぷれすた」
2023年6月、新しい学びの場として「学習塾プレスタ」をオープンした。

住所 亀田郡七飯町鳴川1丁目5-3
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学習塾プレスタ | KIDS ARE ALRIGHT
【北海道七飯町】学習塾プレスタは、一般社団法人KIDS ARE ALRIGHTが運営する、北海道七飯町の学習塾です。2023年6月開校!無料体験受付中です。

★七飯町教育支援センター「レインボー」
七飯町立学校に在籍する不登校児童生徒に対する教育機会の確保等を推進するための施設

住所 亀田郡七飯町字鶴野229-2(鶴野地域センター内)
TEL 0138-64-7720

七飯町教育支援センター設置要綱

 

 

フリースクールの課題
●フリースクールには公的な支援はなく、運営は主に民間が行っているが、公的機関と民間が連携して支援していく自治体が増えていくことが期待される。
● 現状、フリースクールに通わせるためには保護者が金銭的負担を負う必要がある。
●フリースクールの数が極めて少ない。

 


次回は、「不登校という選択」
我が子が不登校になったら。あなたならどんな選択をしますか?
学校だけがすべてではない、でもどうしたら?…あつまさ先生と一緒に考えてみましょう。
【公開予定日:2024年4月24日(水)】