ひっぽのひげ文庫 vol.37「スイミー」

函館市神山にある【えほんカフェひっぽ】。店主の中川裕司さん(通称 ひげさん)がおすすめの絵本を紹介してくれます。子どもだけでなく、大人にも響く絵本の数々をお楽しみください。
『ひげのつぶやき』では、父であり、教員経験のあるひげさんが見つめる子育てや日常のアレコレを綴ってくれます。これが心に沁みるんです~。どうぞご覧ください。

読者の皆様こんにちは。
早くも5月半ばです。GWも終わり日常生活は戻ったでしょうか。
私は旅行プランを立てるのが大好きで、出かける前に何回も旅行した気分になるのが得意です。どこかへお出掛けすると楽しめますが、帰った後の洗濯の山や後片付けにテンションは下がりますよね。子どもたちの頭の中にはディズニーランドしかありませんから、近場では満足してくれないのも困ったもんかもしれませんね。
さて、今月の絵本です。

「スイミー」
作・レオ・レオニ 訳・谷川 俊太郎
出版:1969年 定価:本体1,500円+税
好学社


皆さんご存知の世界的な大ベストセラーの絵本です。
レオ・レオニさんはオランダの出身でアメリカに帰化して、作家デビューしました。
スイミーは初期の作品で、1959年に出版されています。日本では谷川さんの訳で10年後に出版され、2023年に130回目の増刷を記録しています。

沢山の赤い兄弟魚の中で、スイミーだけが真っ黒。兄弟たちがマグロに食べらてスイミーだけが逃れます。再び仲間の赤い魚たちと出会い、大きな魚に負けないようにスイミーは知恵を絞ります。そしてスイミーは「ぼくが めになろう」と宣言し、光あふれる海へと仲間たちと泳ぎだします
何度読んでも感動の一冊です。

小学2年生の国語の教科書に登場する『スイミー』。息子が何度も音読してくれました。
「けんかした山」「ふたりはともだち」「アレクサンダとぜんまいねずみ」そして『スイミー』、今でも覚えている教科書の物語です。
息子の音読を聞きながら懐かしさを感じつつ、当時は気づかなかった作品の良さに感動したりします。
兄弟たちを食べられ孤独になったスイミーが海の綺麗さに気づく瞬間、普段当たり前の幸せの中にあって気づかないものって自分の周りにもたくさんあるんだよなぁ、と日々の暮らしに感謝。
子どもの頃好きだった絵本、大人になって読み返すと本当に絵本が伝えたかった世界が見えてきて楽しいです。

 

 

 

 

最近話題になっているのは、カスタマー・ハラスメントへの対策を講じるホテルや航空機などのサービス業界の動きです。幸いなことに、ひっぽではカスハラの被害はありませんが、考えさせられます。

10年近く前ですが、レジで大声で怒鳴っているおっさんがいまして、店員さんは泣いています。なかなか止めないので「ご主人、もういいじゃないですか、カッコ悪いですよ。」と声を掛けました。すると、私には低姿勢になってその場を離れていきました。気の弱いおっさんだったのでしょう。

「怒り」に任せて、怒鳴り罵声を浴びせ、責任をとれと脅すなど、やっかいな行為です。あおり運転もカスハラでしょう。
「怒り」で怒鳴ると、ろくなことにならないことを私は担任していた子どもたちから教えてもらいました。教室で全員との信頼関係が壊れてしまうのです。怒鳴る先生を止めてひげちゃんと呼ばれる先生へ転換しました。それ以来、怒らなくておだやかな先生になりましたね。ねっちりと、しかることはしましたが・・・。

親子でも「怒り」の感情は禁物なのだと思いますが、いかがでしょうか。

次回は「おだやかにpart2」~怒りのやり場~に続きます。


”カスハラ”、某百貨店で美容部員をしていた時代を思い出しました。
店員が反撃できないのをいいことに、好き勝手な発言・態度をとるお客様。あまりの言いがかりに、あふれ出す怒りをどうにか押し殺そうと歯を食いしばりすぎて奥歯がジャリっと欠けたこともありました(笑)
そう、こちらも怒りで対抗しては火に油ってやつです。

【私の接客歴からのカスハラ対策】
・まずは相手の怒りの感情を受け止める(受け止めつつ、実際心の中では受け流すのがポイント。笑)
・原因はどうであれ、怒らせてしまったことを謝罪(ここは歯を食いしばってでも一回謝っておく)
・自分に非がない部分は毅然とした態度で挑む(ただし高圧的な発言は×)

さぁここからが正念場です。
もし自分に非がある場合だとしても、”カスハラ”と呼ばれる程怒鳴り散らしたり、暴言を吐いたりされる筋合いはありません。
決して「自分はダメな人間だ…」なんて落ち込まないこと。

私調べですが、この手の行動をする人は「自分を認めて欲しい」「あわよくば謝罪の品などが欲しい」の2つに分かれる気がします。
後者の場合は、すぐに上司を呼びましょう。
前者の場合は、反論は禁物。事実だとしても反論すると相手には言い訳に聞こえてしまいます。
怒りを共感してあげて、自分のことのように相手の怒りに寄り添います。
そうしているうちに、だんだんと怒りのバロメーターが下がっていき、きちんとお話しができる状態になりやすい。もうそうなればこっちの勝ちです!!(おちょくるわけではありませんが、真正面から受け止めると自分の心が病みます。このくらいの気持ちで、”どうどう”となだめるだけ。)

これはあくまでも店員と客とのやり取り。
親子での「怒り」シーンでは、どうするのが一番いいのでしょう。
次回のひげのつぶやき「おだやかにpart2」~怒りのやり場~、お楽しみに♪

ままっち!編集部 Tammy

えほんカフェひっぽ
住所 
函館市神山3丁目64-2
TEL 
0138-87-2691
営業時間 
11:00~18:00
定休日 毎週火、水曜日
HP http://hakodate-ehoncafe-hippo.com/