『あつまさ先生の道しるべvol.36』~縄跳びの勧め~

大人でも跳べる人が少ない縄跳びの「二重跳び」。この難しい技を、小学校の中学年頃までにクリアできた子は、一躍クラスのヒーローになれます。
でも、なかなか簡単に、二重跳びができるようにはなりません。そこで、重要になるのは、学齢に合わせた段階的な練習方法と適切な縄(ロープの材質と長さ)選びです。

子どもにとって縄跳びはとても複雑な運動です。ジャンプをするために地面を蹴る、しかし腕はロープを回し下ろすために下向きに力を入れる。このように、跳ぶという運動とロープを回す運動を同時に行うのが難しさのゆえんです。

 

3歳~4歳児

年少さんは、大人が動かす縄をジャンプして跳び越える「へびさん跳び」がおすすめです。縄跳びが面白いと思えるきっかけになります。また、縄を地面に下ろし、左右にはわせるように動かして跳ぶ遊びの「大波小波」も年少さんは喜んで挑戦します。使用する縄は、布ロープがおすすめ。

 

 

4歳~5歳児

年中さんになると、跳ぶことへの意識が強くなることもあり、「前跳び」に挑戦する子も増えてきます。前跳びに挑戦する場合、「跳ぶ」と、「縄を回す」動作を一度に両方をやるのは子どもにとって難しいので、動作をそれぞれ分けて練習するといいでしょう。両足でリズムよくジャンプできるようになったら、縄を後から前に回す動作を繰り返し練習。

この場合、大人がしっかり声をかけながら手本を見せることが必要です。使用する縄は、ビーズロープがおすすめ。

100円ショップで購入

※ビーズロープは、ナイロン製の紐にビーズが通してあるので下記のようなメリットがあります。
☆適度な重さがあり、回すと音が出るのでリズムよく回すことができる
☆ロープにクセやねじれがつかないので、回しやすい
☆強度が強く、長さを調節しやすい

ビーズロープ!初めて見ました!
縄跳びにも用途に合わせて色々な種類があっておもしろいですね~♪

ロープの長さは、「片足でロープの真ん中を踏み、持ち手が脇の下あるいは胸の高さにくる長さ」が最適。

 

 

「縄を回してジャンプ!と伝えながら、跳ぶ動作と回す動作を組み合わせることを繰り返します。すぐには跳べるようにはなりませんが、できたことを褒め、励ましながら遊び感覚で日々続けると跳べるようになってきます。

「長縄跳びの勧め(前回vol.35)」で紹介した、長縄(大繩)跳びがリズミカルに跳べるようになった子は、スムーズにこの段階に進めます。

まずは「一回旋二跳躍」ができるようになってから、「前跳び」に挑戦させましょう。跳ぶ回数を一緒に数えながら練習することで、意欲が高まってきます。はじめは、ゆっくり回しながら、だんだんとスピードをあげることにチャレンジさせましょう。

 

5歳~6歳児

年長さんになると、前跳びのほかに「後跳び」「あや跳び」「交差跳び」など少し難しい跳び方や技に挑戦する子も出てきます。それに合わせて、ロープもビーズからナイロンロープに変えてみましょう。速く回すには、布やビーズロープよりも小学生が学校で使用しているナイロンロープがおすすめです。

 

 

小学1年~4年生

小学校では、体育の授業で「縄跳び」を取り入れているところが殆どなので、就学前までにある程度跳べるようになっていれば、安心ですね。ちなみに、我が孫娘(小学5年)は小学1年生の時には、下記の④の技までできるようになっていました。なお、二重跳びができるようになったのは3年生の時です。

有酸素運動である縄跳びを遊び感覚で楽しんでいる孫娘。その効果が、陸上競技(中・長距離)での好記録にあらわれています。

 

《縄跳びの跳び方・技》

動画で紹介(演技者は我が孫娘)
①一回旋二跳躍 ②前跳び ③駆け足跳び ④片足跳び ⑤あや跳び ⑥交差跳び ⑦後一回旋二跳躍 ⑧後跳び ⑨二重跳び

 

縄跳びは幼児であっても、年少さんと年長さんとでは、それぞれ教え方は変わってきます。まずは縄跳びに慣れることから始め、段階をふんで子ども自ら「縄跳びは楽しい」「もっと跳べるようになりたい」と思うことが上達の秘訣です。

ときには縄の長さや回し方、跳ぶときのタイミングや姿勢を見直してみるのも必要です。いずれにしても、できるようになるペースには個人差がありますので、年齢や子どもに合わせた練習方法で取り組むことが大切です。

 

【二重跳びの練習の流れとコツ】
二重跳びの練習は大きく「前跳びを速く跳ぶ」「手をたたいてリズムの練習」「二重跳び1回に挑戦」の3つを順番に。
★10秒間で前跳びが25回を目安に、素早いロープの回転を身につける
★ジャンプをして空中で手を2回たたく練習をする
★前跳び3回から、二重跳び1回にチャレンジ二重跳びが1回跳べたらしめたもの、連続二重跳びの回数アップに子どもは夢中になって挑戦します。
我が孫娘も、この流れで上達しました。

 

あつまさ先生
あつまさ先生

次回は、「幼稚園の是非見てほしいポイント 2023年版」をご紹介。
【公開予定日:2023年10月25日(水)】