多くの幼稚園や保育園、さらには小学校においても絵本の読み聞かせが、カリキュラムに組み込まれています。また、読み聞かせボランティアの方々が、各園や学校を定期的に訪れ、子どもたちに
選りすぐりの絵本を読み聞かせてくれています。なんと有り難いことか。学校や幼稚園での勤務が長かった私にとって、絵本の読み聞かせの、子どもたちに与えるさまざまな効果を実感することができました。もちろん、我が家でも実践し下記のような効果を確かめることができました。
絵本の読み聞かせで得られる効果
- 親子のコミュニケーションがとれる
絵本の読み聞かせの時間は、親子の最高のコミュニケーションタイムです。親子のスキンシップを伴った読み聞かせは、子どもの情緒の安定や自己肯定感の高まりにもつながります。 - 感情を豊かにする
絵本には、メッセージ性が込められているものが多くあります。子どもや動物が主役となっていることが多く、登場人物の気持ちを想像しやすいのも絵本の大きな特徴です。登場人物の気持ちを想像・共感することで、感情が豊かになるといえるでしょう。そこで感じた経験は、相手の気持ちを思いやる心につながっていきます。 - 集中力が身につく
絵本に興味を持ってもらうことができれば、子どもの集中力を高められます。はじめは短い絵本から、徐々に長い絵本を読むことで集中できる時間を伸ばしていけます。また、本や文字に対する親しみを持つ意味でも良い影響を与えます。 - 想像力が育つ
絵本には、単純な繰り返しのものから、起承転結がハッキリしたストーリー性のあるものまでさまざまな種類があります。「もしかして次は…?」「きっと〇〇だな」と続きを考えることで、豊かな想像力が育ちます。 - 語彙力が高まる
絵本を読み聞かせることで、今まで知らなかった言葉を知ることができます。イラストが添えられているため、より言葉への理解が深まるのも絵本の大きな特徴のひとつです。たくさんの絵本を読むことで、語彙力が高まります。また、ストーリー性のある絵本を楽しむためには文章への理解が欠かせません。絵本の読み聞かせは、今後の読解力の基礎となります。 - 子どもの好奇心を刺激できる
絵本のなかでは、子どもが体験したことのないユーモア溢れる世界が広がっています。動物と話しをしたり、空を飛んだり…。「自分もしてみたい」という好奇心につながり、子どもは目をキラキラさせながら物語を楽しみます。 - 本好きな子どもに育つ
読み聞かせをすることで、文字や本に対する抵抗が少なくなります。小さいうちから読み聞かせを通してたくさんの絵本に触れておくことで、本の魅力を感じ、物語の中に入り込む面白さを知ります。それが、本が好きな子どもへと成長するきっかけとなります。
読み聞かせる絵本を選ぶときのポイント
絵本の読み聞かせには、上記のようにさまざまな効果が期待できます。その効果をより高めるためには、絵本選びが決め手です。
【年齢に合わせた絵本を選ぶ】
0歳児は、まだ視力が弱いので、原色で描かれた絵が大きくてシンプルな絵本だと興味をもちやすくおすすめです。
1歳児は、繰り返しが多い絵本を好みます。動物や果物など、子どもたちに親しみのある内容が繰り返される絵本がおすすめです。また、「ザブザブ」「どんどん」など、擬音語・擬態語が盛 り込まれている、リズム感のある絵本を選ぶことで興味関心をひきつけられます。
2歳児は、生活に関連する絵本がおすすめです。挨拶やトイレ、歯磨き、お風呂など、絵本から学べるようなものを選ぶと良いでしょう。登場人物が褒められている姿を見ることで「真似してみたい」「自分にもできる」という気持ちを刺激できます。
3歳児になると、だんだんと物語が把握できるようになってきます。同じような展開が繰り返される内容のものや、めくるのが楽しくなるような本を選ぶといいと思います。
4・5歳児になると、知識が豊富になり、理解力や発想力も強くなるので、登場人物に感情移入できるような複雑で長いストーリー性のある絵本にも少しずつ挑戦することをおすすめします。
【季節に合わせた絵本を選ぶ】
年齢のほか、季節に合わせた絵本を選ぶことも大切です。四季の移り変わりは、言葉では伝えきれません。絵本であれば、鮮やかな色彩やストーリーで春夏秋冬それぞれの雰囲気を感じ取れます。また、季節の行事への導入にもおすすめです。
【子ども自身に選ばせる】
ときには、子ども自身が選んだ絵本を読み聞かせても良いでしょう。子どもがどんな絵本に興味を持っているか知れるだけでなく、自分で選んだものを読んでもらえることにより自己肯定感が高まります。
絵本を読み聞かせるときのポイント
★読み聞かせる絵本は事前に内容をチェックしておく
読み聞かせる絵本は、必ず事前に内容を確認しましょう。表紙やタイトルだけで選ぶと、思っていた内容と異なることも。内容を知らないままだと、探るように読んだり、言い間違えたりする可能性があるため注意が必要です。
★子どもの見えやすい位置や角度で読む
大勢の子どもの前で読むときは、見えやすい位置を意識しましょう。光が反射して見えにくいこともあるため、角度も大切です。また、子ども達の表情が見える位置に座り、どのような反応をしているか確認したいですね。
★適度な抑揚をつけて聞きやすい声で読む
読み聞かせる際、抑揚をつけすぎると子どもの想像力を妨げるという意見もあります。しかし、感情のない読み聞かせは心に響きません。適度な抑揚で聞きやすい声を意識しましょう。ゆっくり読みすぎると集中力が切れてしまうためテンポも大切にしたいですね。
★子どもの質問への対応や内容の説明等で中断せずに読む
絵本を読んでいると子どもから「読んだことある!」「〇〇ってなに~?」などの声が飛び交います。読み聞かせを中断して対応すると、真剣に聞いている子どもの集中力を妨げる可能性があります。目を合わせて頷くなど、気持ちを受け止めるだけに留めましょう。
次回は、「子どもに読んであげたい人気の絵本(年齢別)」を紹介します。
【公開予定日:2024年8月28日(水)】