かつて勤務していた学校の開校130周年記念式典の折、学校長式辞で挨拶しているのが私。かなり前の事ですが、今でも鮮明に思い出すことができます。
通り一遍の式辞ではなく、心の底から祝意と感謝を皆々様に伝えたいと願い、3枚のパネルを用意しマイク片手に演台の前まで出るというパフォーマンスをしたから尚更のこと覚えています。
教育者として一人の人間として、私が大切にしている言葉が「おめでとう」と「ありがとう」です。この二つの言葉には、秘められたパワー(魔法の力)があります。
心から「おめでとう」と思える出来事があると嬉しくて幸せな気持ちになりますね。
そんな「おめでとう」の語源は、丁寧の意を表す接頭語『お』に、「めでたい」の連用形「めでたく」がウ音便化した『めでたう(めでとう)』だそうです。
ちなみに、「めでたい」は動詞「愛(め)でる」の連用形「めで」に、程度が甚だしい意味の形容詞「いたし」が付いた「めでいたし」が変化した語で、原義は対象に心惹かれ、感動したり愛したりする気持ちになっていることを表します。
つまり、「おめでとう」は、「愛」「優しさ」「思いやり」「慈しみ」「喜び」など、豊かな気持ちで相手を賞賛する意味が込められている言葉なのです。
だから、私たちは「おめでとう」という言葉を、誕生日、入学、進級、合格、卒業、就職、結婚、昇進、還暦など、愛おしい人の新しい門出や人生の節目を祝うたびに発していますね。もちろん学校(園)や企業などの創立・周年行事や新年を祝うときにも。
また、「おめでとう」という言葉を発すれば、その対象にパワーを与えるとともに、自分にもパワーが跳ね返ってきます。まさしく、双方を幸せな気持ちにさせる魔法の言葉です。
前置きが長くなりましたが、私は、この「おめでとう」を口癖のように様々な機会や場面を通して発してきましたので、以下に一部を紹介します。
★全校児童や全園児の誕生日を手帳に記入しておき、該当日に対象の子に
★児童や園児に弟や妹ができたときに
★児童や園児の家庭に祝い事(祖父母の還暦や新築など)があったときに
★一輪車や縄跳びなど難しい運動に挑戦している子が、少しでも上達したときに
★課外活動(金管バンド、陸上、サッカー、野球、バレーなど)の大会やコンクールで入賞したり頑張った子に(実際に会場に行って応援することを常としていた)
★習い事(水泳、陸上、卓球、空手、ダンス、民謡、ピアノ、英語など)で頑張った子や保護者に
★様々な賞(クラスを明るくしたで賞、笑顔が可愛いで賞、思いやり一番で賞など)を用意し、頑張っている子に
このように「おめでとう」と声をかけると、みんな笑顔で「ありがとう」と返してくれるし、さらに頑張ってみようと意欲的にもなってくれます。
家庭でも是非「おめでとう」を口癖にしてみてください。当たり前にできるだろうと思っていることでも、できていればお子さんを褒めてあげてください。心から「おめでとう」と。
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