産婆の手しごと第17回目:こどもにどう伝える?生理のこと

産後ケア助産院マーノの助産師、佐原(さわら)さんと瀬野(せの)さん。お2人は函館市内の産院で、妊娠中~お産、産後のママに深く関わってきました。目指すは【ママを孤独にしない子育て支援を!】函館のプレママ、産後ママの生活や気持ちに寄り添う『産婆さん』として、すべてのママが子育てを楽しめることを願いながらコラムを綴ります。ご覧ください。

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佐原さん
佐原さん

こんにちは。助産師の佐原です。今回は初潮や生理の時のお手当のしかた、生理痛の時の対処法や産婦人科受診について書こうと思います。みなさん、自分が初めて生理が来たときのことをおぼえていますか?私はありありと思い出せます・・・小学校5年生の時でした。家族で買い物に行って帰ってきたとき、お腹が痛くて違和感がありました。リアルな話になってしまいますが、ショーツに少量黒く出血がついていました。びっくりして母に「生理が来たみたい」とこっそり話して出血をみせました。その頃は小学校で性教育の授業がありましたが詳しくは話がされず、あまり授業の時はピンとはきていませんでしたが、「もしや!これが!」と子どもながらに思ったのです。内心パニックでした。そんな初潮を迎えた私は、その後生理痛が重すぎて保健室まで歩いてたどり着けずに貞子のように這いつくばり途中で力尽きていたり、なかなかしんどい毎月の生理との格闘が待っていました。では、ご覧ください。

生理(初潮)がはじまる時期

初潮は早い子だと小学校3年生くらいで訪れる子もいます。初潮が来なくて産婦人科を受診する目安としては16歳になっても1度も来ないときと授業では話しています(高校生くらいですね)。

なんの予備知識もないまま初潮を迎えると当事者は本当にびっくりするのと、自分の身体の変化に心がついてこれなくなってしまいます。自分の性を否定する子もいます。なのでご家庭で前々から段階を踏んで教えていくというのが大事です。ママがご自分の体験談(初潮はいつ来たか、その時の気持ちなど)、お手当について(失敗談もあればいいと思います)などを、小学校3年生くらいから教えてもいいと思います。
女の子だけでなく、男の子にも小さいうちから話しておくと男女お互いに身体の事を気遣えるようになると思います。絵本などでお話をしておくと、子どもたちは受け入れがよいのではないでしょうか。

男の子にお伝えしたいこと

絶対にからかったりしないことを伝えて下さい。まだ理解しないうちに体育を休んだりポーチを持ってトイレに行ったり、という女子に対してからかう子も見られます。「知らない」ということで気づかずに相手を傷つけてしまう事になります。毎月の生理はとっても尊い身体の変化として、しっかり伝えて、生理が来ている子に対しての配慮をするということ(例えばポーチを持ってトイレに入る子をからかったりしない、もし出血が漏れてしまった子に対して声をあげないなど)特に小学生だと生理のことを知らないと血を見てびっくりして声を上げる子もいるでしょうし、予備知識はとても大事です。
助産師として中学生への性教育の授業で「女子が毎月そのような思いをしている人がいるってわからなかった。これからは気遣っていこうとおもう」という男子からの感想文も見ます。女子だけでなく男子も生理への理解って大事だなあとしみじみ思うのです。

生理=毎月自分の身体や自分の命と向き合う機会 

親子の会話でしっかり生理について話す事は、これから自分の大事な子が大人になって紡いでいく次の命についても直結していきます。生理が毎月あるということは次の命をつないでいくための大事な身体の働きであること、とても尊い身体の働きである事を伝えていけたらいいと思います。そして、自分の身体を大切に思う事、自分の存在を大切に思うことを伝えていただきたいと思います。
思春期の頃は自分の変化について凄い不快感を示すこともあります。自分の身体が自分の物じゃなくなる感覚、情緒も不安定になる時期で自分の事が大っ嫌いになってしまう子もいます。中には自分が嫌いになって自分を傷つける方向に走ってしまうこともあります。(これは私の体験談です)そんな時に、ママは一番そばにいてほしい存在だと思うのです。親子の会話、伝えていくこと、コミュニケーションが辛い時を支えていきます。ママ達は自分の大切なお子さんに向かって生理のことについて発信していける一番身近な存在として頼りになる存在です。

 

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