『あつまさ先生の道しるべvol.22』~子どもの金融教育は早めに~

あつまさ先生
あつまさ先生

欧米では「お金は上手に資産運用して増やす」という考えが既に当たり前となっている一方で、日本人は“金融リテラシー”(お金に関する知恵や判断力)が低いと言われています。日本でも「貯蓄から投資へ」、「貯蓄から資産形成へ」と強く唱えられているものの、いまだに多くの日本人は投資に対して積極的ではないのが実情です。

なぜ子どもに金融教育が必要なのでしょうか

米国では、投資や起業のゲームなどを通して、小学生の頃から預金、貯蓄と投資について、楽しみながら学べる環境があるようです。また、英国では10歳頃から、金融能力、金融実行力、金融に関する責任能力、そしてお金の管理、予算計画の立て方、リスクとリターン、クレジットカードのしくみなど、多岐に渡る金融知識を学んでいるようです。

金融教育を受けた子どもと受けなかった子どもでは、その後の人生に差が生じる傾向があるという研究結果もでています。

お金は、使い方、増やし方、守り方、稼ぎ方をきちんと理解する必要があります。そのためにも、幼い頃から金融教育を受けることで、お金にコントロールされるのではなく、自らコントロールできるようになっておくことが重要です。

小さい頃から金融教育を受けている子どもたちは、モノに対して「今買わなくてもいい」と自然と思えたり、友人の持ち物を羨ましく思う=自分も手に入れたい!と思うより先に、自分にとって必要かどうかを冷静に考えられたりする傾向にあるようです。

金融教育を通して、友達や家族との交流ができて、人との距離感も自然と身につくため人間関係にも良い影響を与えると考えられています。

 

 金融教育を始めるのに適切なタイミングは? 
「お店でモノを買うにはお金が必要」と理解しだす頃から少しずつ教えていくのがよいでしょう。例えば、3歳児でもお店屋さんごっこはできます。そういった遊びを通じて、お金の支払いや、お金を得る喜びを楽しみながら学べるはずです。ですから、金融教育は就学前から始めるのが理想的です。

金融リテラシーが高まる教育法「5選」

家族間でお金の話をオープンにする

家庭で親が子どもにお金のことを教える際、「モノを買うときはお金を支払う」「働いた対価としてお金をもらうことができる」というような単なるお金のルールだけでなく、お金を理解することで自立心を養い、社会との関係性について考えさせることも大切です。また、お金は「親が一生懸命働いて得られたものだから、大切なものである」ということをきちんと伝えることも必要です。そのためには、まずは教える親自身が学び、理解し、手本を見せる必要があります。

お金の話は隠さずオープンにして子ども自身に考えさせるのもひとつです。例えば、家族の車を買うのに、2台のうちどちらがよいかを子どもと一緒に考えてみるなど。家庭の身近なものでお金と向き合うのは子どもも理解しやすく、お金について考える気持ちを養うのに絶好のチャンスです。

 

親子で一緒に買い物に行く

親子で一緒に買い物に行き、子どもに買うものの値段を確認させながら選ばせ、親がレジで会計する様子を見せる。また、レジが混んでないときなどは、支払いだけを子どもに担当させる。「お金と物が取り換えられる」ことを、肌身で感じる体験となり、物の値段はそれぞれ違う、ということも学べます。

 

☞次ページ・・・金融リテラシーが高まる教育法「5選」つづき