少子化と高齢化がますます進み、地球温暖化や自然災害がさらに深刻化し、さらには世界情勢が緊迫化を増している現在、子どもの将来に不安を感じているのは私だけでしょうか。教育の専門家は、多くの困難な課題が待ち構えている将来、子どもがたくましく生きていくためには、「へこたれない力」と「やり抜く力」が必要であると力説しています。
子どもに「へこたれない力」を身につけさせなければならないと提言したのは、国立青少年教育振興機構という機関です。「へこたれない力」という言葉は、同機構が2018年3月に公表した「子どもの頃の体験がはぐくむ力とその成果に関する調査研究報告書」に登場します。子どもが将来、過酷な社会を生き抜くには、一定の資質と能力が必要です。同機構は、その資質と能力のことを、わかりやすく、「へこたれない力」と表現しています。
国立青少年教育振興機構は、20~60代の大人たちの子ども時代の様子を調査したなかで、「へこたれない力」を獲得する方法をみつけたそうです。
②「家族との愛情、家族との絆、遊びの熱中度、学習意欲」が強かったり高かったりした
③「親、先生、近所の人」とのかかわりが多かった
④ 周りの大人から褒められたり、叱られたりした経験が多い
保護者が自分の子どもに「へこたれない力」を身につけさせるには、上記の4点を意識するようにすればよいわけです。
「へこたれる」とは、逆境に負けた状態のことをいいます。人は逆境に見舞われると、「自分らしさ」や「自分を好きになる気持ち」や「仕事や勉強への自信」を失います。つまり自己を否定したくなる衝動に駆られることになります。へこたれる、とは自己を失った状態のことです。しかし、「へこたれない力」を持っていると、逆境でも自己を保つことができます。逆境にあっても自己を失わない状態こそ、自己肯定感が強化された状態です。
へこたれないことで他者との競争に恐れないようになれば、自己肯定感を強化できます。へこたれないことで自分の短所に冷静に対処できれば、自己肯定感も強くなります。
これから到来するであろう過酷な社会を生き抜くには、自己肯定感が必要で、自己肯定感を強化するには「へこたれない力」が必要です。
★「家族行事、家事の手伝い、友人との外遊び、学校での委員会活動、学校での部活、習い事など」に積極的に取り組ませる
★「家族との愛情、家族との絆、遊びの熱中度、学習意欲」を強めたり高めたりする
★「親、祖父母、先生、近所の人など」とのかかわりを多くする
★多く褒め、適度に叱る
子ども時代からの多様な体験と、学校等での主体的な活動、そして保護者の褒める力が、
子どもの「へこたれない力」を育てていると言えそうですね。
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