『あつまさ先生の道しるべvol.38』~子どもにスマホはいつから持たせたら?~

4年前に始まったコロナ禍、全国の小中学生に一人一台のタブレット端末が配られ、学習でインターネットを利用する場面が増え、子どもたちとデジタルの距離が急速に縮まった。まさしく今の子どもたちは「デジタル世代」。

内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」によると、インターネットを利用している青少年のうち、自分専用のスマホを持っている割合は6~9歳では低いが、家族と共有している割合が高い。逆転するのが、12歳のタイミング。つまり、小学校卒業から中学校入学の時期にかけて、多くの子どもが自分専用のスマホを持ち始めるとのこと。

 

今年の9月に開催された『令和5年度 函館市教育振興フォーラム~子どもたちの健やかな成長を促す家庭教育~』では、市内のK小学校の情報として高学年の1/2~2/3の児童が、スマホやタブレット端末でインターネットにアクセスしている状況が報告された。

ITジャーナリストの高橋先生によると
小学校の低学年はスマホを家族と共有している場合が多く、スマホ本体を壊す、なくすといった物理的なトラブルが目立つとのこと。一方で高学年になると女児が積極的に使い始めサービスの対象年齢外にも関わらず自撮り写真や動画をSNSにアップするなど注意が必要な行動が増えてくるという。また高額な課金請求など、オンラインゲームの相談件数が最も多いのは小学生だとのこと。

中学生は特にトラブルが起こりやすい時期。自分専用のスマホを持ち始め、サービスの利用年齢に達し「SNSデビュー」をするタイミング。使い始めでコントロールができず、「スマホ依存」にも陥りやすくなる。また反抗期で保護者に反発したり、思春期で性に関心が芽生えたりする時期でもある。こうした要因が重なることが、トラブルが多い理由とされるとのこと。

 

ITジャーナリストの竹内先生によると
2歳児で6割超がネット利用しているとのこと。夕食の支度時などに親のスマホでYouTube動画などを見させているのではと指摘。

《大阪府の調査によると》
小学1年男子で20%弱がスマホを持ち、キッズ携帯等を上回る結果に。最近では小学校高学年でスマホを持つ子も約半数。

 

このように、子どもの中でスマホは当たり前になっている昨今。 子どもにスマホを持たせるタイミングはいつ?

NEXTが運営する「MOBIEWN」が実施したアンケート(幼稚園児から大学生の子どもを持つ親500人回答)によると
67%の親が「小学6年生までにスマホを持たせている」
子どもにスマホを持たせ始めた時期を聞くと、全体では67%の親が「小学6年生までにスマホを持たせている」と回答。内訳をみると、「小学5~6年生から」は18%、「幼稚園」「小学1~2年生から」はそれぞれ17%。
子どもにスマホを持たせたきっかけとしては、「日常的に子どもと連絡を取るため」が28%と最多に。「習い事などで帰宅が遅くなるため」といった回答も多く、約半数の人が子どもとの連絡手段としてスマホを持たせていることがわかる。
★「連絡手段」として便利な一方で、「スマホ依存・トラブル」が心配
子どもにスマホを持たせる際に心配なこととしては、「スマホ依存になること」が38%、「犯罪やトラブルに巻き込まれること」が29%。実際にスマホを利用したことによる悪影響を聞いたところ、「睡眠のリズムが崩れた」が38%と最も多く、以下「視力の低下」「家族での会話が減った」と続いた。また、子どもがスマホで何をしているのかを聞くと、「動画閲覧サービス・サイトの利用」が46%でトップに。「ゲーム」「メールのやり取り」「SNS」にも回答が集まった。
★「中学生になる前から子どもにスマホを持たせるべきだと思うか」聞いたところ
僅差で「持たせるべき」が多い結果となった。「持たせるべき」と回答した理由としては、「すぐに連絡できる」「居場所を確認できる」など、非常事態に備えるような意見が多かった。一方で、「持たせるべきではない」理由としては、「スマホ依存」や「犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性」を危惧する声がそれぞれ約3割を占めた。

子どもにスマホを持たせる注意点は?

☆長時間と深夜の使用はダメ!を徹底
現在の子どもはスマホでの睡眠不足が問題として指摘されています。スマホのために学業に影響が出るのでは本末転倒。iPhoneの場合は「設定」→「スクリーンタイム」で「休止時間」「使用時間の制限」などが設定できます。解除のためにはパスワードを必要とするように設定できるので、「購入時の約束」として「夜〇時以降は使わない」「〇時間以上使わない」などと決めておくとよいでしょう。

 

☆年齢に合わせたコンテンツのフィルタリング機能を設定する
有害サイトを見せないようにするコンテンツのフィルタリングなど。各携帯キャリアの「あんしんフィルター」サービスには、「小学生モード」「中学生モード」など学齢別の設定も用意されています。

☆アプリのインストールと課金は親の許可を得る
これも購入時の約束として「中学を卒業するまではアプリと課金は保護者が承認した場合のみ」と約束してはいかがでしょうか。

☆家族ごとにスマホ利用のルールを決める
スマホ購入時にはお子さんとルールを話し合い、紙に記入してともにサインするセレモニーをお勧めします。参考になるのがアメリカのブロガーが作って賞賛された「スマホ18の約束」です。これは、子ども(小・中・高校生)にスマホを与える保護者にとって、バイブル的存在です。

\是非チェックしてみて!/

【スマホ18の約束】ルールの学年別テンプレートを簡単ダウンロード!
スマホを持つ子ども(小学生・中学生・高校生)との約束の定番が、スマホ18の約束。このページでは、スマホ18の約束の英語原文をもとに、適切なルールの決め方を紹介します。PDF・Wordでダウンロードできます。

 

スマホを子どもとのコミュニケーションのきっかけとしましょう

あつまさ先生
あつまさ先生

スマホは保護者の悩みのタネ。でも、その一方「スマホを買うタイミング」と「スマホの使い方に関する合意」は親子で話し合い相互理解する好機ともいえるでしょう。子どもと一緒に「スマホ18の約束」などを参考にしながらルール作りをしましょう。親の思いと子どもの希望、両方が納得できる結論を出す交渉術を学ぶ好機だと考えましょう。

スマホを持つ上での「当たり前」と捉えて、親子で約束をしっかりと守ることが大切ですね。
私たちママパパもスマホばかり触らないように気を付けねば!


今年最後のあつまさ先生の道しるべは、「子どもに贈りたい魔法の言葉」をテーマにご紹介。
【公開予定日:2023年12月20日(水)】