ひっぽのひげ文庫 vol.31 「よるくま」

函館市神山にある【えほんカフェひっぽ】。店主の中川裕司さん(通称 ひげさん)がおすすめの絵本を紹介してくれます。子どもだけでなく、大人にも響く絵本の数々をお楽しみください。
『ひげのつぶやき』では、父であり、教員経験のあるひげさんが見つめる子育てや日常のアレコレを綴ってくれます。これが心に沁みるんです~。どうぞご覧ください。

読者の皆様こんにちは。ひっぽのひげです。
寒暖の差が激しい日々で、体調を崩しがちですが、お変わりありませんか。先日愛犬の「タム」(5歳のシーズーです)が吐きまくりまして、何事かと病院に行くと「寒暖差で自律神経をやられて胃がはたらかないのですよ、この時期よくあります。」ですと。私よりも繊細なのが悔しいというか・・・まぁホッとしたんですがね。まだコロナもインフルも健在で学級閉鎖の話も聞きますから体調管理には気を付けましょう。

「よるくま」
作・絵 酒井駒子
出版:1999年 定価:本体1,000円+税
偕成社


今月の絵本は寝る前の読み聞かせにピッタリの絵本「よるくま」です。
眠れない夜にぼくはママにお話をします。
~昨日の夜、クマの子「よるくま」が来たんだよ。目が覚めたらママくまがいないというので、一緒に探しに出かけたんだ。電線を渡って、よるくまのお家の中も探して、そしたらよるくま泣き出しちゃって、涙が真っ黒だから周りが真っ暗になって・・・。
さて、結末は・・・。
20年以上も前の絵本ですが、昭和タウンの本屋さんにポップ付きで山積みになっていて嬉しかったです。作者の酒井駒子さんの絵は独特なタッチで素敵です。時々、暮らしの手帖の表紙を飾っています。
秋の夜長に、読書の秋にお薦めの一冊です。

 

偕成社ホームページの「読者のおたより」を読むと、この絵本が長年愛され続けている理由がわかります。
『よるくまが、お母さんを慕う気持ちが絵本の絵から、まっすぐに胸に伝わりました。自分も幼い頃はこうであったと、久しく忘れていたことがまるで最近のことのようにまざまざと思い出されて、驚きました。』読者のおたより から抜粋
心がほっこり、お布団の中はぬくぬく、良い眠りにつけそうな一冊です。

 

 

 

 

教員の時、学校の体育館で子どもたちと遊んでいると(大根抜きなんてよくやりましたね)子どもの反応は様々ですが、

A・もう真剣で遊びに没頭して、汗びっしょり
B・遊びながら、チラチラと私を見る
C・遠巻きにして眺めている

Aの子
は、ほっといても大丈夫なので、こっちも真剣になってやっつけてやります。
Cの子には誘いの声をかけて、参加してもしなくてもいいんです。声をかけることが大事なんです。
時々いるBの子はちょっとやっかいです。自分に自信がなくて「こうしたらダメかな?、先生は認めてくれてるかな?」卑屈さも見え隠れします。まさに「顔色をうかがう」ことで、自分の安心感や肯定感を得ているように見えます。「やぁ、楽しかったな」とさり気なく認めて、少しでも自信をもってもらうようにします。
Bの子は校外や家庭ではどうなんでしょうね。忖度にまみれた大人にならないといいのですが・・・。


我が子はA~Cどれかなぁ?
自宅では私(母)の顔色をうかがうBだけど、外ではその反動からAの様子。
私の顔色さえうかがえば、他は大丈夫!と思っているようです(笑)
品行方正を求められることが多い時代。子どもたちも”お利口さん”になりがちです。
でも社会に一歩でると、自分の意見や考え協調性を求められることに戸惑ってしまう。
「子どもらしい」を子ども時代にしっかり経験しておくことが、これからの時代をたくましく生きていける力になると思います。
もっと大人が子どもたちの無邪気さに寛容にならなきゃいけないな~、と思いつつ「うるさーい!!ちょっと黙っててー!!」と叫ぶ日々なのであります。     

ままっち!編集部 Tammy

えほんカフェひっぽ
住所 
函館市神山3丁目64-2
TEL 
0138-87-2691
営業時間 
11:00~18:00
定休日 毎週火、水曜日
HP http://hakodate-ehoncafe-hippo.com/